中国国務院 危険化学品総合整頓3ヵ年プランを発表
要点:
- 危険化学品管理の目標が明確に掲げられた;
- 危険化学品を規制する新しい法律が存在する可能性を示唆している。
2015年天津港”8.12”爆発事故を教訓を活かし、近年政府主導で実施してきた数多くの危険化学品安全確保特別プロジェクトの成果を固め、危険化学品による重大な事故を防ぎ、国民の命と財産を守るため、2016年12月6日、中国国務院が「危険化学品安全総合治理方案の配布に関する通知(以降は”3ヵ年プラン”と呼ぶ)」を発表しました。これにより、2016年12月から2019年11月までの3年間で、全国範囲内の危険化学品安全管理に対する整頓が行われ予定です。3ヵ年プランでは、40の具体的な目標が掲げられ、主に以下十の分野に及んでいます。
- 各業界に於ける危険化学品事故の発生リスクを全面調査し、重大危険発生源を特定する;
- 危険化学品に対する管理監督を強化し、危険化学品による重大事故の発生を防止する;
- 政府各部門の監督管理責任を明確にし、危険化学品安全管理体制を改善する;
- 法規制体制の発展に力を入れて、より健全な法規制で危険化学品管理に向かう;
- 危険化学品関係の新設プロジェクトを厳格に制限し、プロジェクトの設計から関係資格の管理を徹底する;
- 企業がより多くの責任を負うよう関係制度を徹底し、企業の自発的行動を促す;
- 危険化学品の安全を確保するために、政府関係部門の監督管理能力のアップはもちろん、社会組織や第三者機構の参加も促進すべき;
- 危険化学品の登録作業を強化し、監督管理の情報化を推進する;
- 応急措置と救援能力のアップ;
- 安全教育と人材育成。
中国は今年、数多くの有害化学物質や、危険物管理関係の法規制を調整しました。中国交通運輸部が『危険貨物道路運輸安全管理弁法』と『港危険貨物安全管理規程』の改正に乗り出し、中国環境保護部が『危険廃棄物インベントリー(草案)』を通過させ、更に、最近公布した『“第13次5ヵ年”生態環境保護計画』も、既存化学物質に対する評価を言及しました。「危険化学品環境管理登記弁法(試行)」(22号令)が廃止された今、中国の危険化学品管理は一つの転換点を迎えるではないかと専門家が予測しています。そんな中、591号令より上位な法規制が新たに作成さることは一つの可能性として注目されています。