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中国 化粧品ラベルで三つの表示を避ける

 最近、中国国家薬品監督管理局(NMPA)は公式サイトで「まつげの成長を促進する」、「幹細胞」、「酸皮」という化粧品表示に関する文章を発表しました。これらの文章は科学普及の文章として発表されたものですが、化粧品事業者が正確に化粧品ラベルを作成し、監督検査を合格になるため非常に役立ちます。

 

一、「まつげの成長を促進する」

 「化粧品分類規則と分類目録」に基づいて、「まつげの成長を促進する」という効能分類はないことが分かりました。しかも、現時点にNMPAはまつげの成長促進効果を謳う化粧品を承認したことがありません。

 市販のマスカラについては、まつげを濃くして長くすることができると宣伝していますが、それらは物理的な方法で成膜剤と着色剤をまつげにつけるだけで、「まつげの成長を促進する」という効果を発揮したというわけではありません。そのため、化粧品企業が「まつげの成長を促進する」というような表現を避けるべきです。

 また、マスカラでは「プロスタグランジン(PG)」(例えば、「ビマトプロスト」や「トラボプロスト」)の使用が禁止されています。文章によって、臨床応用にPGはまつげの成長、増加、太くなることを引き起こして、しかし薬物なので、必ず医者の指導及び薬物の説明書によって使用しなければなりません。健康な人にとって、長期にわたるPGの摂取に関する安全性の情報がまだ不十分です。

 なお、NMPAが発表された「使用済み化粧品原料名称リスト(2021)」には、PGという化粧品原料が載せていません。しかも、現時点にNMPAはPGに関する化粧品原料を承認もしくは届出したことがありません。したがって、「ビマトプロスト」などPG類似物を化粧品の原料として化粧品の生産に用いことは、「化粧品監督管理条例」(以下、「条例」という)の関連規定に違反するため、禁止すべきです。

 

二、「幹細胞」

 目前、幹細胞技術は医学分野ではまだ臨床研究の段階にあります。衛生健康部門に記録された幹細胞臨床研究において、幹細胞の美容、アンチエイジングに関する研究がありません。また、「使用済み化粧品原料名称リスト(2021)」には、「幹細胞」という化粧品原料は含まれていません。現時点にNMPAも幹細胞関連の化粧品原料を承認又は届出したことがありません。

 正直言って、「植物幹細胞」は植物細胞の一種で、他の種類の植物細胞にしか分化できず、ひとの細胞に分化できません。「使用済み化粧品原料リスト(2021)」には、植物由来の化粧品原料がいくつか収録されています。これらの植物由来原料は化粧品に添加され、主に植物化学成分によって作用します。植物の分生組織であるかどうかは必然的な関係がありません。一部の事業者は化粧品に「植物幹細胞」が含まれていると表示したら、消費者に植物分生組織が人の細胞に分化作用があると誤解されやすいです。

 以上、「条例」によると、化粧品のラベルには「偽りまたは誤解を招く内容」を表示してはなりません。「幹細胞」が表示された化粧品は「化粧品ラベル管理弁法」(「条例」の下位法則)に違反するため、禁止するべきです。

 

三、「刷酸」

 中国でも「刷酸」や「換肌」など医療的な役割を示唆する可能性がある表示も化粧品ラベルに宣伝できません。

 いわゆる「刷酸」とは化学的な皮膚交換術です。制御可能な損傷を引き起こした後、化学薬品を皮膚に塗布して、新しい皮膚の再生を促進します。一般的には、「刷酸治療」は医療資格を持つ病院や診療所で、研修を受けた専門家しか操作できません。ただし、その「酸」は化粧品ではありません。

 「刷酸」という用語は表示できないが、いくつかの「酸」を化粧品に添加することができます。例えば、「ヒドロキシ酸」や「サリチル酸」など、企業は「化粧品安全技術規範2015」に定められた条件を遵守すれば、化粧品に使用できます。

 化粧品は清潔、保護、美化、飾りの目的を果たす日用化学工業製品を指し、医療作用がありません。一部の化粧品は角質除去などの効果を実現していますが、「刷酸治療」とは本質的に違っています。「条例」により、化粧品ラベルに「治療作用を明示或は暗示する」内容を表示してはなりません。経営者は消費者の誤解を防ぐために「換肌」という不適切な表示も使ってはいけません。

洪蓮潔
Chemlinked Japan編集
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