近年、大気汚染対策の一環として、中国はVOCs(揮発性有機化合物)の排出に厳しい姿勢を示しています。例えば、2019 年から当局は一連のVOCsの含有量の制限に関する国家標準(GB)を改正または新たに制定してきました。現時点では、その一部は既に発効されています。
とは言え、中国各地の産業レベルの相違が大きく、全国一律の基準で管理するよりも、各地域の管理当局は国家標準を参考に、独自の基準を設ける傾向があります。これらの地域基準、時には、国家標準より厳しい内容があり、コンプライアンス対応する際に、企業は国家標準だけに目に留めるだけではなく、事業を展開する具体的な地域の基準も事前にある程度納める必要があります。
ここでは、北京の隣に位置する天津を例に見てみましょう。
今年4月10日の意見募集案を経て、10月23日、天津市強制性地方標準「工業企業揮発性有機化合物コントロール標準(DB12/524-2020)」が正式に公布されました。
DB12/524-2020は2014年初公布された依頼の第1回改正版です。石油化学、医薬品製造、ガム製品製造、塗料、インク及び粘着剤製造、プラスチック製品製造、電子工業、車組立業、印刷工業、家具製造、表面塗装などの業界のVOCs排出制限要件、モニタリング及び監督管理要件を定めています。産業ごとに、具体的な汚染物の最高排出許容濃度と最高排出許容速率がリストアップされ、既存の企業は2021年4月1日から適用されることになります(新規企業は発効日から適用)。
また、DB12/524-2020は「GB30981工業保護用塗料中の有害物質の制限量」、「GB18581木製品用塗料中の有害物質の制限量」、「GB24409車両用塗料中の有害物質の制限量」、「GB38507インク中の揮発性有機化合物(VOCs)含量の制限」、「GB38508洗浄剤の揮発性有機化合物(VOCs)含量の制限」、「GB24409車両用塗料中の有害物質の制限量」を始めとする製品中に含まれるVOCsの制限量を定める国家標準も引用しており、源泉管理として、これらのGBの遵守を要求しています。
想像してもわかるように、その地方当局も天津を見習い、自分の地域の状況に応じて、自らのVOCs排出の基準を制定するでしょう。既に一部の地域がそのような動きが出ています。今後、企業として、国家レベルの法規制だけではなく、目標地域の関係情報をどのようにいち早く入手するかを考える必要があります。
中国 VOC排出制限、地域レベルでの動きが開始