ニュース
中国 天津港で大規模爆発事故が発生

 2015年8月12日夜、中国天津にある濱海開発区で危険化学品による大規模爆発事故が発生しました。17日午前11時点で、合計114人が死亡し、700人以上が負傷したほか、70人が行方不明となっています。

 爆発の直接原因は8月12日夜10時50分に起きた火災だと見られています。しかし、火災発生後、瑞海国際物流有限公司に属する危険化学品のコンテナが引火されてしまいました。目撃者によりますと、夜11時30分頃、現場で巨大な火柱が上がり、大地が激しく揺れ始めました。30秒後、更に猛烈な爆発が発生しました。事故発生時、大きなキノコ雲が立ち上がり、数キロ範囲内で強い衝撃波による影響を受けました。

 現場からの情報によりますと、爆発現場で水酸化ナトリウム、ヨウ化水素、水硫化ソーダ及び硫化ナトリウムという4つの化学物質が検出されました。更に、現場で保管されている最低700トンのシアン化ナトリウムが流出したことがわかりました。事故の具体的な原因はまだ究明されていませんが、爆発による環境汚染及び猛毒化学物質漏れが招いたリスクは深刻な影響を与えています。

 爆発事故に関わる企業、瑞海国際物流有限公司は天津における最大な危険貨物の中継・集散センターであり、年間荷役量が100万トンも達しています。情報によりますと、当該企業は天津海事局(Maritime Safety Administration:MSA)が指定する危険貨物を取扱う場所であり、天津市交通運輸委員会から発行する港湾危険貨物作業許可を有しています。会社の公式サイトでは、貯蔵業務に関わる下記危険貨物及びその分類が掲載されています:

  • 分類2:高圧ガス及び液化ガス(アルゴン、圧縮天然ガス等)

  • 分類3:可燃性液体(メチルエチルケトン、酢酸エチル等)

  • 分類4:可燃性固体、自然発火物質及び水反応可燃性物質 (硫黄、ニトロセルロース、炭化カルシウム、カルシウムシリコン合金等)

  • 分類5:酸化性物質及び機過酸化物 (硝酸カリウム、硝酸ナトリウム等)

  • 分類6:毒性と感染性物質(シアン化ナトリウム、トルエンジイソシアナート等)

  • 分類8、分類9:腐食性物質、その他の有害性物質(ギ酸、リン酸、メチルスルホン酸、水酸化ナトリウム、硫化ナトリウム等)

 当局が記録した文書では当該企業が安全作業に関わる法規制に適合していると示しています。しかし、現場で生存者に対する取材で、当該生存者は危険化学品に関わる教育・指導は受けていなかったと述べました。

 本事件に対して、REACH24H社GHSコンプライアンスプロジェクト・マネージャー李婷婷は、化学品、特に危険化学品は生産から輸入、貯蔵、使用まで全ての分野で事故が発生しやすく、運搬、段積みまたは混載でいかなる細かいミスまたはその他の突発事件で巨大な損害を招くことにつながるとしています。また、リスクは完全にコントロールできないものではなく、安全管理を強化し、潜在的な危険要因を排除することは肝心だということです。

本サイトは情報提供のみを目的としており、掲載内容の運用結果についてREACH24Hおよび著者は一切の責任を負いません。また、当サイトの内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。
お勧めのコンテンツ