Updates:2023年2月25日以降は、C9-C14 PFCAsとその塩及び関連化合物に対する制限がEU域内で実施されるようになります。これをうけ、当該化学品について、ほとんどの用途は禁止される一方、一部の用途はより長い移行期間が適用されます。
9~14個の炭素鎖を有するペルフルオロカルボン酸、いわゆる「C9-C14 PFCAs」は、ペルフルオロオクタン酸(PFOA)等の9炭素原子以下の炭素鎖を有するPFCAを生産する過程で発生した副産物です。これらのPFCAは有毒で高い持続性があり、生物体内に蓄積される可能性があります。
2021年8月4日、欧州委員会は「EU REACH規則附属書XVII(制限物質リスト)」の第68条目を修正する欧州委員会規則2021/1297を公布しました。今回の修正により、C9-C14 PFCAsとその塩及び関連化合物に対する制限が追加されました。今後、下記の規制措置に対応できるよう、EU輸入品におけるPFCAs含有有無を調査し、代替品の適切な利用促進を早めに実施することが勧告されています。
主な変更点は以下となります。
施行日 | 主な規制措置 |
2023年2月25日 | C9-C14 PFCAsとその塩及び関連化合物そのものは、EU 域内での製造・販売が禁止。 |
C9-C14 PFCAsとその塩及び関連化合物を含有する物質、混合物及び物品は、EU 域内での製造・販売が禁止(以下の場合を除外する規定あり)。
ご注意:2023年2月25日前に販売されるC9-C14 PFCAsとその塩及び関連化合物を含有する物品の場合は、当該規制措置が免除される。 | |
/ | 輸送された単離中間体として使用される物質に含まれる場合は、C9-C14 PFCAとその塩及び関連化合物の合計濃度が10ppm以下。 |
2023年7月4日 | C9-C14 PFCAsとその塩及び関連化合物については、以下の用途が禁止。
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/ | 次の化学品については、C9-C14 PFCAsの合計の濃度制限値が1,000ppb。
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2023年12月31日 | C9-C14 PFCAsとその塩及び関連化合物については、以下の用途が禁止。
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2024年8月25日 |
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2025年7月4日 | C9-C14 PFCAsとその塩及び関連化合物については、以下の用途が禁止。
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2030年12月31日 | C9-C14 PFCAsとその塩及び関連化合物については、2023年12月31日前に販売される電子機器(完成品)の部品を交換するための半導体部品の製造が禁止。 |
なお、C9-C14 PFCAsは「高懸念物質(SVHC)リスト」に収録されているため、関連するSVHCの法的義務を履行する必要もあります。