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中国 応急管理部設立、上層部10人の内、6人は元SAWS

 3月22日、北京で開かれた応急管理部(MEM)上層部会議で、10人の上層部メンバーが発表されました。その内、元国家安全生産監督管理総局(SAWS)の局長である王玉普氏を含む6人はSAWS従来のメンバーであることがわかりました。

 中国第13期全人代第1回会議で可決された「国務院機関改革案」により、新たに設立する「応急管理部(Ministry of Emergency Management)」は、「国家安全生産監督管理総局」・「国務院弁公庁の応急管理」・「公安部の消防管理」・「民政部の災害対策」・「国土資源部の地質災害防止」・「水利部の水害防止」・「農業の草原防火」・「国家林業局の森林防火」などを統合した機関となります。その目的は(人為・自然)災害発生時の対応を統括することはもちろん、事前の防止策も一機関に任せることにより、効率を挙げることです。2015年の「天津港爆発事故」では、165人の死者の内、消防隊員と警察官は110人を占めていました。危険化学物質の性質と危険性は消火活動を実施している消防隊員と警察官たちに十分伝わっていなかったのもその一因ではないかという見方があります。今回の改革により、「公安部の消防部隊」と「武装警察に所属している森林部隊」は軍隊の編制から離脱し、MEMの応急対応隊に統合する予定です。

 3月23日、応急管理部が正式に設立され、公式サイト(http://www.chinasafety.gov.cn)も公開されました。従来SAWSが主管していた危険化学品を管理する法規制はMEMに移ることになります。以下はその一部を示しています。

  • SAWS 53号令 「危険化学品登記管理弁法」
  • SAWS 60号令 「化学品物理危険性鑑定と分類管理弁法」
  • SAWS 41号令 「危険化学品生産企業安全生産許可証実施弁法」
  • SAWS 55号令 「危険化学品経営許可証管理弁法」
  • SAWS 57号令 「危険化学品安全使用許可証実施弁法」

 また、MEMは「国務院591号令-危険化学品安全管理条例」及び「国務院445号令-易製毒化学品管理条例」の一部の管理責任をSAWSから受け継ぐことになります。

 最後に、MEMは正式に設立されたとは言え、実際の統合は数か月間がかかる見込みです。過去の経験から予測すると、これから3~4ヶ月間の間に、MEMの具体的な責務・内部構成・定員などは正式に公布することになります。その後、段階的に人員の配置・業務の移転・下部組織との連携を定着させて行きます。そのため、現段階では企業のコンプライアンス対応にまだ目立った影響はありません。

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