6月28日、中国交通運輸部が今年3月28日-4月15日に意見募集を行った第一版を基礎に、『危険貨物道路運輸安全管理弁法(意見募集案・第二版)』を公布し、2016年7月28日まで意見募集を実施することになりました。(第一版を公布時の記事はこちら)
今回公布された第二版は今年3月28日-4月15日に行った意見募集で集まった意見と指摘を検討した結果とも言えます。その中に特に注目されているのはやはり少量危険物(Limited Quantity)と微量危険物(Excepted Quantity)に関する規定でしょう。「弁法」には、少量危険物と微量危険物はそれぞれ中国語で「有限数量」と「例外数量」と訳されています。少量危険物と微量危険物に関して、第二版はいくつかの調整があります。例えば、重複を防ぐため、LQとEQに適用するには必要な包装性能試験関係の国家標準を見直し、「危険貨物運輸包装通用技術条件」(GB12463)を削除し、「危険貨物例外数量及び包装要求」(GB28644.1)/「危険貨物有限数量及び包装要求」(GB28644.2)と「公路運輸危険貨物包装検験安全規範」(GB19269)の要求だけ満足すればいいということになりました(第十七・十八条)。また、LQとEQの免除に適用できる事業者の範囲にも、本来の「危険化学品安全生産許可証を取得した企業」・「科学研究・教育・軍需などの公的機関」に加え、「危険化学品経営許可証を取得した企業」を追加しました。これは、危険化学品の輸出入に携わる企業にとって、大幅な輸送コスト減ができ、良いニュースとなります(第二十一条)。しかし、それでも不十分という声もあります。例えば、危険化学品を使用する企業・一般企業内の科学研究部門も少量または微量危険化学品を輸送する場合もありますが、現在の規定には免除に適用することができません。
以下は少量危険物と微量危険物について、『危険貨物道路運輸安全管理弁法(意見募集案・第二版)』を元に、弊社が独自に整理した一覧表です。ご参考してください。
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微量危険物(Excepted Quantity) |
少量危険物(Limited Quantity) |
免除政策に適用できる輸送依頼人 |
• 危険化学品安全生産許可証を取得した企業 (安監総局41号令) • 危険化学品経営許可証を取得した企業 (安監総局55号令) • 科学研究・教育・軍需などの公的機関 |
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包装・識別・テスト・内/外装容器関係の基準 |
• 「公路運輸危険貨物包装検験安全規範」(GB19269) |
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• 「危険貨物例外数量及び包装要求」(GB28644.1) |
• 「危険貨物有限数量及び包装要求」(GB28644.2) |
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輸送ユニット当たりの最大許容量 |
微量危険物の形で包装したパック1000個 |
少量危険貨物として輸送する貨物、質量合計1000kg(包装材も含む) |
他の危険貨物または一般貨物と共同輸送する際の基準 |
• JT 617 「自動車危険貨物運輸規則」 • JT 618 「自動車運輸・荷卸し危険貨物作業規程」 |
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積荷書類 |
• 第三者包装検証機構が作成した包装性能試験レポートまたは、GB28644.1とGB19269の包装性能試験に満足した自己声明書類 • 輸送リストに「例外数量危険貨物」と件数を記す |
• 第三者包装検証機構が作成した包装性能試験レポートまたは、GB28644.2とGB19269の包装性能試験に満足した自己声明書類 • 輸送リストに「有限数量危険貨物」・件数・総質量(G.W.)を記す |