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中国 HCFCsを使用する一部の製品の生産禁止を実施する予定

 2022年12月12日、中国生態環境部(MEE)は、「フルオロカーボン(HCFC-141b) を発泡剤として使用する断熱パイプ製品、太陽光給湯器製品の生産禁止に関する公告(意見募集案)」および「ハイドロクロロフルオロカーボン (HCFCs)を含有するシリコーンシンナーあるいは洗浄剤を使用する使い捨て医療機械の生産禁止に関する公告(意見募集案)」を公表し、今年12月25日までの意見募集を開始しました。

 ポリウレタン(PU)発泡体の製造は中国でHCFCsを消費する主な業界です。一般的にフルオロカーボン(HCFC-141b)を発泡剤として、断熱製品を製造しています。具体的には冷蔵コンテナ・冷蔵庫・電気給湯器・断熱パイプ・太陽光給湯器などに使われています。これらの物質が放出されるとオゾン層を破壊し、地球温暖化の原因となるため、多くの国で産業界における使用が段階的に停止されています。

 中国はすでに「2013年までPU発泡体業界のHCFC-141b消費量を基準線に凍結」および「2015年まで17.5%を削減」という二つの目標を達成しました。また、2018年の生態環境部の第49号公告により、「発泡剤として使用する冷蔵コンテナ・冷蔵庫・電気給湯器の生産禁止」を実施し始めました。それに続いて、中国政府が作成した「中国PU発泡体業界HCFCs淘汰計画(2021―2026年)」により、これからはまず断熱パイプと太陽光給湯器という二つサブ分野でHCFCsを発泡剤として使用する禁止令を出す予定です。

 禁止令は2023年7月1日に発効される計画です。企業は、以下のHCFC関連製品の生産を禁止されることになります。

  1. フルオロカーボン(HCFC-141b) を発泡剤として使用する断熱パイプ製品、太陽光給湯器製品

  2. ハイドロクロロフルオロカーボン (HCFCs)を含有するシリコーンシンナーあるいは洗浄剤を使用する使い捨て医療機械

また、意見募集案には業界ごとにHCFCsの代替品をいくつか挙げています。

使い捨て医療機器に使用されるHCFCの代替物質

  • 炭化水素

  • ルコール可溶性シリコーンオイル

  • 無溶剤シリコーンオイル

  • ハイドロフルオロエーテル(HFE); 

  • これらすべての物質の混合物

断熱パイプや太陽光給湯器に使用されるHCFCの代替物質

  • 炭化水素

  • ハイドロフルオロカーボン類。

  • フルオロオレフィン

  • これらすべての物質の混合物

杜業翔(ト ギョウショウ)
法規制コンサルタント/Chemlinked Japan編集
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