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上海 5つの業界のVOCs排出量計算方法を発表

要点:

上海は自分の管轄エリア内で、VOCsの排出量計算により具体的、且つ精密な基準を導入しています。

 2017年2月3日、上海市環境保護局が石油化学・印刷・塗料インク製造・車製造(塗装)・船舶工業合計5つの業界の揮発性有機化合物(VOCs)排出量の計算方法(地方基準・試行)を発表しました。また三週間後に、「上海市工業企業揮発性有機化合物排出量一般計算方法(試行)」を公布し、上述した五つの業界以外全ての固定汚染源のVOCs排出量計算方法として適用されます。

 これらの最新基準は、以前のものと比べ、より具体的かつ科学的に設計されています。例えば、一部のVOCs産生量の計算公式はEPA(米国環境保護庁)の排出インベントリ改善プログラム(EIIP)の「Technical Report Series Volume 2: Point Sources - Chapter 16 Methods for Estimating Air Emissions from Chemical Manufacturing Facilities」から作成されています。

総じて、今回新たに導入した特徴は以下となります。

  • 計算をより正確にするために、プロセス全体を溶剤加工類と溶剤使用類という二種類に分けられ、それぞれの種類ごとに異なる計算方法を指定します。

  • 「可能な限り全ての排出量を計算に入れる」という方針の元、「非組織的排出」を定義し、計算方法を指定しました。

  • 排水の輸送、貯蔵および処理からのVOC排出が考慮されます。

  • 生産施設の保守、修理、停止などを含める不適切な生産状況のVOC排出量も考慮されます。

 上海は、常に化学物質管理規制改革の先頭に走っています。他の中国の都市のモデルにもなった最先端の有害化学物質管理システムを開発し、VOC排出量に関する地方の課金基準を実施した最初の都市の1つでもあります。そして、今回上海はVOC排出量の最も科学的で正確な計算方法を発表しました。これらの基準は、他の都市や更に国家基準の改革と改善につながることが期待されています。

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