Dr. Sanghee Park from Chemtopia at Shanghai CRAC on 21 Oct, 2013.
「欧州連合REACH」と「中国新規化学物質環境管理弁法」の施行と伴い、韓国の「化学物質の登録及び評価などに関する法律」(韓国版REACH(K-REACH))も2年間の準備を経て、遂に2013年5月に韓国国会で通過され、2015年1月1日より正式施行されます。
韓国の既存化学物質は2種類あります。一つは1991年2月2日前に韓国市場に既存していた37021物質、もう一つは1992年2月2日以降韓国環境部(MoE)が「有害化学物質管理法（TCCA）」に基づき評価し発表した化学物質(2012年12月まで約6878物質がある)であります。上記2種類以外の化学物質は新規化学物質と見なされ、新規化学物質登録が必要となります。K-REACHの登場に対し、工業界最も注目しているのは、少量新規化学物質がK-REACH登録から免除できるかという問題です。10月21日～22日杭州華測瑞欧科技有限会社により主催された「グローバル化学物質規制法令年次大会」で、韓国Chemtopia会社からのSanghee Park博士はその問題に対し回答しました。Sanghee Park博士は、K-REACH法律により指定される免除対象以外、全ての新規化学物質は数量を問わず登録が必要だと伝えました。
TCCAからK-REACHへの移行に対し、Sanghee Park博士は下記のように話していました：TCCAに基づく危険有害性における評価が完了してる新規化学物質は、関係当局が評価結果を登録者に正式通知した3年後正式に公表され、K-REACHに基づく既存化学物質になります。しかし、2015年1月1日までに正式公表されなかった物質は新規化学物質と見なされます。具体的に下記三つの状況を分けられます：
・2012年1月1日～2014年12月31日間に危険有害性評価が行われたが、公表されなかった物質はK-REACHに基づく新規化学物質と見なされ、原申請者だけがK-REACHに基づく新規化学物質登録から免除されることができます。
・登録申請用資料を提出したが、2015年1月1日までに評価結果を受けなかった場合、その物質はK-REACHに基づく新規化学物質と見なされます。その場合、全ての物質がK-REACHに従い改めて登録する必要があります。
・TCCAに基づき危険有害性評価が完了し、かつ「既存化学物質」として公表された「新規化学物質」は優先評価物質リストに指定された場合、K-REACHに基づく既存化学物質登録をする必要があります。その場合、原新規物質登録者だけがK-REACHに基づく既存化学物質登録から免除でき、または簡単な手続きで登録できる可能性があります(その問題に対し更なる検討が必要)。
上記問題以外、K-REACHはどのような ITサポーティングツールを用いるかという問題も業界から注目されていました。業界の方々は、欧州連合REACHに基づく提出書類を少し修正し、K-REACHに用いられると希望しています。しかし、これに対し、Sanghee Park博士は、「今の時点で、K-REACHのITサポーティングツールと欧州連合REACHに基づくUCLIDE5システムがどのぐらい似ているか、また、データの互換性はどうなっているかまだ明確になっていません。なお、データの互換性を実現するのにもう一つ重要な条件は、韓国語と英語両方とも処理できる2カ国語併用登録用プラットフォームを開発しなければなりません」と伝えていました。
登録用データの来源について、K-REACHは毒性試験データと生態毒性学試験データがGLP実験室または韓国政府が承認した実験室により提供しなければならないと要求しています。非OECD加盟国内でGLP資格を取得した実験室から提供されるデータは認められるかどうかについて、韓国当局が今保守的な態度を持っています。
Sanghee Park は、「2015年1月1日K-REACHの正式施行まで、後1年余りしか残っていなくて、韓国当局は巨大なプレッシャーが掛けられています。K-REACHによる費用共同負担、物質の表示、試験データの基準、登録後の義務などに関するガイダンス及びK-REACHに基づく既存化学物質の優先評価物質リストの発表など、正式施行に向ける準備がまだ整えられていません。しかも、上記の問題はいつまで解決できるかまだ不明確です。もし来年4月に発布される予定となるガイダンス、優先評価化学物質リスト及びITサポーティングツールが予定通りに完了できなかったら、潜在的な登録者は適切な生産日程を作りK-REACHを対応する時間がなくなります」と強調しました。
