ニュース
韓国 K-REACHの施行、監督を強化

 2021年6月3日、韓国環境部(MOE)は、公告第2021-420号を公布し、「化学物質の登録及び評価に関する法律」(K-REACH)の施行令を部分的に修正しました。

 今回の修正は、監督管理制度の向上及びコンプライアンス義務の履行を促すため、韓国の各行政機関がお互いの情報交換を通して、企業が製造・輸入する前にK-REACH下の登録及び申告等に関するコンプライアンス義務を履行したかどうかを確認することを目指しています。具体的には、許可物質の指定プロセス、異なる政府機関による共同の法律実施、化学物質安全情報の伝送、行政処罰の強化などの内容があります。

 1.許可物質に関する特定のプロセス

 まずは、許可物質の概念を明確にしなければなりません。許可物質とは、環境部が認定した通り、ある程度の危害性を有するものということです。そのため、許可物質の製造・輸入・使用は環境部長から許可を得てから行う必要があります。

 指定プロセスは以下となります。

 1)許可物質を指定するにあたっては、事前に許可候補物質を選定・公開し、利害関係者の意見を充分に考慮し、許可候補物質の危害性を研究すべきです。必要があれば、現時点の流通状況を踏まえて、許可物質を指定します。

 2)許可物質を指定する或いは許可の緩衝期を与えるにあっては、意見募集のために、関連化学物質の製造、輸入、使用者等を含めた協議体を構成・運営することが可能です。

 2.異なる政府機関による共同の法律実施

 韓国環境部は、企業が登録及び申告等に関する義務を如実に履行したかどうかを確認するために、必要があれば、税関に向けて輸入出あるいは返品申告書の提供を依頼することができます。税関と協力しながら法律を執行することにより、輸入出に携わる企業が違法行為を隠れることがより困難になります。

 3.登録番号に関する伝送規定

 現時点における登録猶予間内の物質或は登録完了の物質としては、川下へ物質の関連情報を伝送する場合、MSDSで事前登録番号あるいは登録番号、申告番号等の情報を提供する必要があります。

 4.行政処罰の基準及び罰金の支払

 韓国国民権益委員会行政処分の意見に基づき、累積回数及び処罰強化の回数計算標準を明らかにし、より厳格に監督管理を実施します。違反行為の回数に応じて、罰金増加の徴収標準は最近2年に同じ違反行為をした状況にも適用しています。

 この修正案は現在から2021年7月13日まで意見募集を行います。韓国当局はK-REACH下の監督管理に対して厳しくなる傾向が明らかです。韓国の輸入業者は処罰されることを避けるために、仕入先を選択する時、より慎重になることが予想されます。そのため、コンプライアンスを積極的に対応することこそ、対韓貿易を順調に保つことができます。

 

羅 雪純(ラ セツジュン)
ChemLinked Japan編集
フォロー
本サイトは情報提供のみを目的としており、掲載内容の運用結果についてREACH24Hおよび著者は一切の責任を負いません。また、当サイトの内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。
お勧めのコンテンツ