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中国 危険廃棄物の違法行為への処罰を強化、違法業者の責任を徹底的に追及

 2021年10月22日、第13期全国人民代表大会常務委員会第31回会議で、「固体廃棄物汚染環境防治法(2020年改正)」(以下、「改正法」という)実施状況評価レポートに関する査問が行われました。 

 今回の査問では、改正法の実施中に発見された問題及び相応の解決策を提出することにフォーカスしました。そのうち、危険廃棄物に関する違法行為に対する処罰の厳格化などが目立ちます。

 現時点で、改正法の第6章において危険廃棄物の関連規定及び罰則が定められています。中国生態環境部(MEE)部長である黄潤秋氏の話によると、改正法が実施されて以来、全国合計9,600件以上の「処罰決定書」が下さり、罰金総額は8億人民元を上回りました。ここで特に注目されているのは、「拘束」と「公安/司法機関に移送」の処罰件数がそれぞれ74件、及び1,500件以上に達しました。

 上記のような成果が見えてきたものの、危険廃棄物の処理能力が欠如していることや関連違法行為が厳しく取り締まれなかったことで、地域を跨る危険廃棄物の廃棄をはじめ、関連規制の違反が時々発生する問題も残っています。それに対し、最高人民検査院の副検査長である張雪樵氏は、地域を跨る危険廃棄物の廃棄に関する違法行為が発生すれば、発生源である排出事業者も処理事業者も関連責任が追及され、処罰が科せられることになると強調しました。

 そして、黄氏は残っている課題を洗い出し、今後の方針を提出しました。具体的には、

1.危険廃棄物の関連違法行為をより厳しく取り締まる;

  • 期間を過ぎても是正しなかった場合は、日割り連続処罰を科す;

  • 行政処罰を与える;

  • 刑事責任を追及する(改正法第123条);

  • 重大な違反がある場合は、最高15年の拘束を科すことも可能(刑法第338条)。

2.    監督管理を強化する;

  • 危険廃棄物転移時の情報化追跡システムを構築する;

  • 危害廃棄物を対象となる特別行動を持続的に取る。

3.    危険廃棄物の利用・処理などの能力を向上させる。

  • 医療廃棄物及び危険廃棄物の収集・処理に関する制度や標準を作成する;

  • 特殊な危険廃棄物の処理を特定エリアに集中させる等。

羅 雪純(ラ セツジュン)
ChemLinked Japan編集
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