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中国 十年ぶりの全国汚染源全面調査が間もなく開始

 「中華人民共和国統計法」と「中華人民共和国環境保護法」に基づいて制定した「全国汚染源普査条例(国務院令第508号)」第6条に、10年ごとに1回「全国汚染源全面調査」を行うことと定められています。調査の基準時点は調査開始年の12月31日となっています。

 2007年12月31日に行われた「中国第1回全国汚染源全面調査」から間もなく10年が経ちます。去年の10月に、中国国務院は「第2回全国汚染源全面調査を行うことについての通知」を出し、2017年12月31日から調査を開始することを表明しました。更に今年の9月21日に、国務院が「第2回全国汚染源全面調査方案についての通知」を公布し、調査の目標・時点・対象・範囲・内容・方法などを再び強調しました。2019年に最終結果を公布する予定の今回の調査は環境保護部門今後1年間の一大事になるでしょう。

 全国汚染源全面調査は汚染の原因となる工業・農業・生活・汚染処理施設・移動源(交通機関・作業車両)及び汚染物質を生産・排出する他の施設を対象とします。その中に、工業汚染源に対する調査内容は以下となります。

工業汚染源

  1. 企業の基本状況、原材料および補助資材の消費状況、製品の生産状況、汚染発生設備の状況、汚染物質の発生・処理・排出及び総合利用状況(排出口・排出方法・排出の行き先)、汚染処理施設の建設・稼働状況など。

  2. 水汚染物(廃水):化学的酸素要求量、アンモニア窒素、全窒素、全リン、石油類、揮発性フェノール、シアン化物、水銀、カドミウム、鉛、クロム、ヒ素。

  3. 大気汚染物(廃気):二酸化硫黄、窒素酸化物、粒子状物質、揮発性有機化合物、アンモニア、水銀、カドミウム、鉛、クロム、ヒ素。

  4. 工業固体汚染物:一般工業固体廃棄物と危険廃棄物の発生・貯蔵・処置及び総合利用状況の状況。危険廃棄物は「国家危険廃棄物名録」に基づいて分類し、調査を展開します。工業企業建設中または使用中の固体廃棄物(一般・危険)を貯蔵・処置する施設(場所)の状況。

  5. 希土など15類の採掘・製錬及び加工中に発生する放射性汚染物質の状況。

 中国では、全国汚染源全面調査は「重要な国勢調査」と位置づけられています。各種の汚染源の数・業種・地域分布を全面的に把握することができ、現在の環境状況を正確に判断することに重要な役割を果たせるとされています。今回の調査結果も今後十年間の環境保護・汚染排出制限政策に大きな影響を与えるでしょう。

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