中国近年実施された「簡政放権」(政府機構を簡素化して、権限を地方行政部門等に委譲する)を背景に、2002年10月28日に公布し、2003年9月1日に発効した「中国環境影響評価法」は初めての法改正を迎えました。今年7月2日、「環境影響評価法(一部改正案)」が中華人民共和国主席令第四十八号で公布され、2016年9月1日から実施することになります。
改正前後の変化は以下でまとめました。
- 環境評価の審査は「前置審査」でなくなる;
「元・環境影響評価法」では、環境影響評価の審査が下りない限り、その他の行政審査は実施することができません。今回の法改正により、環境評価の行政審査はその他の審査と同時に行うこと(いわゆる”並列化”)が許されました。もちろん、環境影響評価の審査をクリアしないと、建設の開始は依然として認めされていません。(第二十五条を改め・第三十二条を削除)
- 環境影響登記表は「審査」から「登録」へ変化;
環境影響評価三大書類の一つである「環境影響登記表」に対して、国は法改正前のように「審査」するのではなく、「登録」で管理します。その他の2つの書類(環境影響報告書・環境影響報告表)は依然として審査する必要があります。(第二十二条を改め)
- 「水と土壌の保持案」は環境影響評価の前置条件でなくなる;
「元・環境影響評価法」では、水と土壌の保持に関係する建設プロジェクトの場合、まず「水と土壌の保持案」は関係政府部門の許可を得る必要があります。許可を得ないと、環境影響評価報告書を提出することができません。今回の法改正では関係の条文を削除しました。(第十七条第2項を削除)
- 環境影響報告書・環境影響報告表の予備審査を廃止;
業界管理部門の予備審査は廃止され、建設企業は直接関係書類を環境保護部門に提出することができました。(第二十二条を改め)
- 「審査がまだ下りないのに、建設を開始した」行為に対する罰金を大幅に上げる;
罰金が以前の「五万元以上・二十万元以下」から、「投資額の1%~5%」に変更しました。億単位の建設プロジェクトの場合、罰金は500万元以上に上ることになります。
総じて、今回の法改正では、数多くの必要性が低い行政手続を改め、簡素化し、環境影響評価の効率を上げました。ただ、ここで注意して欲しいのは、簡素化したのはあくまで行政手続だけで、環境影響評価の審査自体は簡単化されていません。