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中国環境保護部危険廃棄物インベントリ草案が通過

要点:

  • 危険廃棄物インベントリが改訂される
  • 免除リストが追加された
  • 新たなインベントリにはより多くの危険化学品が含まれる予定

 危険廃棄物の国家インベントリは、環境と人体に有害なリスクをもたらす固体および半固体廃棄物を規制するために、2008年に初版が公布されました。インベントリの施行時には多くの問題が浮上し、執行当局の妨げとなりました。その結果、環境保護部(MEP)は2013年からインベントリの見直しを開始し、2014年に草稿版を公布しました。2016年3月30日には、MEPは原草稿版インベントリの最新版を通過させ、今後関連当局とともにインベントリ修訂草稿を公布することを決定しました。

 2008年版インベントリは、その前身である1998年版よりさらに詳細なものとなっていました。多くの情報が含まれており、各危険廃棄物の有害性も1998年版より細かく明記されていました。危険廃棄物の廃棄に関する規制の違反を強く阻止するため、2013年6月に追加文書が施行されました。この文書によると、危険廃棄物を3トン以上違法に排出、投棄、廃棄する企業は「環境を深刻に汚染した」として刑事訴訟に挙げられることになりました。これはかなり厳格な手段であり、山東省だけでも、2014年に601件の違反が発見されました。

 しかし、2008年版では、廃棄物の危険なリスクレベルを分類せず、同じものとして扱いました。これは、法執行資源の不適切な分配につながり、実施も有効性を欠くものとなりました。研究結果のなかには、危険廃棄物の70%が適切に処理されなかったと推定するものもあります。実際には、優先順位をつけてターゲットを絞った施行手段と危険性リスクの高い廃棄物にリソースを割くことが求められました。

 そのため、最新版のドラフトでは、優先度の高いいくつかの危険廃棄物を規制することを決めました。一方で、リスクが低い危険廃棄物は、輸送や配置などリスクが比較的許容できるライフサイクル段階においては免除されます。このようにある段階では免除される廃棄物は詳細な要求とともに免除リストに記載されています。廃棄レジン砂、クロミウムを含む廃棄皮革、ブラウン管の鉛ガラス、その他廃棄物などが含まれています。

免除リストに加えて、草稿インベントリには下記の主要な変更が含まれています。

  • 危険廃棄物が49分類から46分類に減少しています。以前のHW 06、HW41とHW42はHW06(廃棄物の有機溶媒)として一体化されました。また、以前のHW43とHW44は削除されました。また、HW50(廃棄触媒)が新たに追加されます。
  • 2008年版では有毒化学物質が含まれているだけでした。しかし、草案ではすべての有害性を有する化学物質を含むことを計画しています。言い換えれば、草稿版インベントリは、国家安全監督管理総局(SAWS)が公布した危険化学品目録全体を含むことを計画していると言えます。
杜 業翔
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