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UK REACH データの完全提出に猶予期間は延長される?

 2021年1月1日から、イングランド、ウェールズ及びスコットランドを含むグレートブリテン(GB)ではEU REACHの英国版であるUK REACHが導入されました。それによってGBへの輸入活動に及ぼす影響を考慮し、イギリス当局は(1)川下ユーザーの輸入通知(DUIN)、(2)「ノーデータ」の登録(No-Data Registration)の移行政策を設けました。そして、(1)又は(2)の手続きを完了した企業はGBへの輸入を続けることが可能であり、下表の通りに登録物質のトン数および危険有害性に応じて、2021年10月28日から一定の猶予期間内にすべての登録情報を提出することが求められます。

提出期限トン数危険有害性を持つ物質の例外規定
2023年10月27日年間1,000トン以上
  • 発がん性・変異原性・生殖毒性物質(CMRs):年間 1 トン以上;

  • 水生生物に非常に強い毒性(慢性/急性)を持つ物質:年間100トン以上;

  • 2020年12月31日まで「SVHC候補物質リスト」に収録された高懸念物質。

2025年10月27日年間100-1,000トン2023年10月27日まで「SVHC候補物質リスト」に収録された高懸念物質。
2027年10月27日年間1-100トン/

 実は、2021年12月、イギリス当局は全情報の提出期限を延長する意欲をにじませ、2022年にコンサルテーションを行う予定を発表しました。それに続いて、今年6月22日、UK REACHガイダンスは更新され、提出期限の関連内容が削除されました。

 今回の更新から見れば、提出期限の改正は間もなく検討されるかもしれません。現時点で、イギリス当局はぞれぞれの提出期限を2026年10月27日、2027年10月27日、2028年10月27日に延長することを図っています。それについては、まだ決まっていない状態ですが、提出期限の延長が実施されれば、DUIN届出又は「ノーデータ」の登録に関する手続きを完了した企業は更に長い猶予期間を受け、登録対象物質のGBへの輸入時に発生するコンプライアンスを遵守するためのコストを大幅に削減することが可能です。
 

羅 雪純(ラ セツジュン)
ChemLinked Japan編集
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