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ニュージーランド HSNO法改正案を発表

 実行可能性を高め、各関係事業者がより確実に義務及びコンプライアンスに関わる要求を理解させる旨の「有害物質及び新生物法」(Hazardous Substances and New Organisms Act:HSNO法)改正案は近日、公表されました。ニュージーランド環境保護庁(EPA)は、通知制度を設けることによって、HSNO法に基づく主な要求を概括し、各下位法令や技術的標準などに関する規定をまとめることを求めています。通知制度はニュージーランドが国際的潮流に沿い即時に化学物質管理に関わる法規制を調整することに貢献すると見られています。

 現地点で、既に5件の通知が公表され、パブリックコメント募集が行なわれています。詳細については以下の通りです:

 1. 分類体系

 ニュージーランドEPAは、国連GHS改訂第5版に基づき分類基準を定めるほか、EU、アメリカ及びオーストラリア等主要な貿易対象国・地域におけるGHS基準も認めるとしています。また、分類体系に関する通知が正式発表後、関連事業者はHSNO法に基づく新生物許可を申請すると同時に、GHS分類を行うことも必要になります。現有化学物質については、2年間の猶予期間が付与されます。

 2. ラベル

 ニュージーランドにおいて、物質のラベルは複数の法規制及び基準に関わっています。EPAはこれについて、ラベルに関わる共通基準及び一部指定される化学物質に関わる特別基準を統括し、更なる合理化を図ると提案しています。新たな基準は国際的優良ラベル規範に基づき作成されるものであり、ニュージーランドの主要な貿易対象国におけるGHS基準と一致します。

 職場における化学品(農薬も含む)及び消費者製品に関わるラベルはGHSに対応しなければなりません。また、消費者製品については、条件に該当するものはオーストラリアの「医薬品 ・毒物の統一管理基準」(Standard for the Uniform Scheduling of Medicines and Poisons,SUSMP)に従う必要があります。

 一方、陸上生態毒性分類に関わるラベルやその他のラベルに関わる現行規定も一部改正されました。

 3. SDS

 ニュージーランドでは、危険化学品の製造者・輸入者及び川下使用者は全てSDSに関わる義務を果たさなければなりません。製造者及び輸入者に関わる義務はHSNO法に残される一方、川下使用者の職場におけるSDS提供義務は労働安全衛生法(Health and Safety at Work Act: HSW法)へ移管されることになります。概するに、主要な貿易国に合わせるため、ニュージーランド当局は16項目のSDS書式に準ずることになります。また、SDS作成ガイダンス、SDS審査基準及びデータに対する要求なども公表されました。

 4. 包装

 EPAの通知によりますと、ニュージーランド当局は国際的な基準、例えば「危険物 輸送に関するモデル規則」に基づき自国の製品包装基準を作成することにしています。通知は下記3種類の消費者製品関わる包装について詳しい基準を定めています:

  • 小児用安全包装(Child-resistant packaging)

  • 触覚的設計/永久標識包装(Tactile design / permanent identification of packaging)

  • 誤解を招きやすい包装(Misleading packaging)

 5. 陸生生態毒性物質

 陸生生態毒性物質について、EPAは従来の分類体系に基づく陸生生態毒性分類を流用すると提案しています。しかし、殺生物剤に用いる物質は当該分類に従わなければなりません。その他の工業危険化学品または消費者製品はこの分類に該当しないとされます。

 一方、陸生生態毒性はGHS分類体系に含まれていなかったため、ラベルの関連基準も流用されることになります。分類の詳細情報はSDS第12部分(生態情報)に反映されています。当該分類に該当する物質の包装については特に特別な要求は求められていません。

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