2021年5月24日、台湾環境保護署(EPA)より公布された「新規化学物質及び既有化学物質資料登録弁法(修正草案)」[1](以下、「弁法」と略称)は大幅に変更され、企業から多くの注目が集まっています。
今回の弁法に関する企業側の疑問や不明点を解消するため、今年11月11日、「CRAC‐HCF2021特別Onlineサミット」で台湾環資国際有限公司(ERI)の倪雅恵氏を招き、2019年1月「毒性及び懸念化学物質管理法(TCCSCA)」の修正及び2020年6月「既存化学物質標準登録資料作成ガイダンス」の更新[2]に応じた弁法の改正要点について解説しました。次は倪氏の講演で得た情報のまとめです。
1.TCCSCAの修正に適応
今回の弁法では、TCCSCAの修正に応じて、関連規定を調整したとともに、年度申告の開始年や期限内提出資料の是正に関する内容の追加等が行われました。
2.既存化学物質標準登録要件を改善
既存化学物質標準登録の締切を4年に延長
当局はコロナウイルス感染状況を十分に考えた上で、トン数を問わず、すべての既存化学物質が2023年12月31日までに標準登録を完了することになります。そして、倪氏の話によると、環境保護主管機構はこの前、産業界から登録期限を2024年年末までに再延長する提案を受けましたが、登録期限を1年間延長することができるかどうかについて引き続き検討する必要があります。
既存化学物質標準登録の最低データ要求を明確化
危害評価と暴露評価の提出が必要となる既存物質標準登録(第2級~第4級)については、企業が登録コードを申請するための資料を提出する場合は、登録コードを取得した後で、自主的に或いは当局に要求される一定期限内で危害評価と暴露評価を補足することができます。
既存化学物質標準登録の免除条件を追加
企業が製造あるいは輸入した既存化学物質が工場内に限定される中間産物である場合は、既存化学物質標準登録が免除されることになります。
3.年度申告システムの新機能
登録者は本システムに掲載されているエクセルファイルに基づき、年度申告資料を揃えてアップロードすることで、年度申告を完了することが可能です;
各暦年の年度申告データが検索できます;
登録人がTPR(第三者代理人)を指定した後で、TPRは委任を受けてから、年度申告を行う必要があります。
4.その他
上記の内容以外に、倪氏は以下のような動きも簡単に説明しました。
本弁法に適用されていない物質または物品範囲を明確化;
承認された登録の有効期間と新規化学物質の秘密保護有効期間を調整;
実際の状況に応じて、主管機関の審査期間及び登録資料の補正回数を変更;
登録コードの取り消し要件を規定;
将来の参照用に申請資料の保管を登録人に義務付けることを削除。