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中国 一般消費者向けリチウム電池の鉄道輸送、ルールを明確に

 2023年11月上旬、中国国家鉄道局(NRA)、工業と情報化部(MIIT)及び中国国家鉄道グループ有限公司が「一般消費者向けリチウム電池貨物の鉄道輸送に関するのガイドライン」を公表しました。

 今回のガイドラインはまず、中国の鉄道輸送における一般消費者向けリチウム電池貨物の範囲を明確にしました。ガイドラインにより、一般消費者向けリチウム電池貨物とは、携帯電話・ノートパソコン・デジタルカメラ・電動おもちゃ・パワーバンクなど一般消費者向け電子製品の中に含まれるリチウム金属電池(セット)とリチウムイオン電池(セット)を指します。これらは第9類危険物と属し、「鉄道危険貨物品名表(TB/T 30006-2022)」のNo.91042,No.91043,No.91045,No.91046に当てはまります。

 また、「鉄道危険貨物輸送安全監督管理規定」に基づき、以下の条件に満たした場合、TB/T 30006-2022の特殊規定78、79に適合することとして鉄道輸送時に危険物と見做されないことが明らかにされました。

  • リチウムの含有量が1g以下のリチウム金属電池;

  • リチウムの含有量が2g以下のリチウム金属電池セット;

  • 容量20Wh(ワットアワー)以下のリチウムイオン電池;

  • 容量100Wh(ワットアワー)以下のリチウムイオン電池セット。

 一方、TB/T 30006-2022の特殊規定72に適合する一般消費者向けリチウム電池貨物(安全性に欠陥・破損・リサイクル或い廃棄処理するもの)の鉄道輸送が禁止されることも明記されました。

 一般消費者向けリチウム電池貨物の輸送委託について、ガイドラインは国連「試験と基準マニュアル」の第Ⅲ部38.3の要件に基づいて資格が有する試験機関に安全性試験の実施を事前に依頼することを強調しました。また、試験報告書には、試験の結果は前述したUN38.3試験に適合したかどうかの結論を明記しなければいけません。包装の方では、鉄道危険貨物輸送包装(TB/T 2687-2020)の基本技術要件と性能試験(落下試験と垂直圧縮試験)のクリアすることが求められています。

ガイドラインの原文はこちらからご確認することができます。

杜業翔(ト ギョウショウ)
法規制コンサルタント/Chemlinked Japan編集
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