2023年9月5日、中国生態環境部(MEE)は、「〈残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約〉国家実施計画(2023年増補版)(意見募集稿)」意見の公開募集に関する通知を公表し、2023年9月18日までのパブリックコメントの募集を開始しました。意見募集稿では、以下の5つの残留性有機汚染物質の管理規定が追加されています。
ヘキサクロロブタジエン(HCBD, ペルクロロブタ-1,3-ジエンとも呼ばれる)
ペンタクロロフェノール(PCP)およびその塩とエステル
ポリ塩化ナフタレン(PCNs)
デカブロモビフェニルエーテル(DecaBDE)
短鎖型塩化パラフィン(SCCPs)
これら5つのPOPsに対する管理規定について、意見募集稿では21の具体的な行動目標が設定されています。主なポイントを以下となります。
組織の能力を継続的に強化し、政策と法規制の構築を推進する;
附属書Aの残留性有機汚染物質の生産と使用による排出を削減または排除する;
附属書Cの残留性有機汚染物質からの排出を削減または排除する;
廃棄物からの排出の削減または排除;
情報交換と一般公衆への教育をさらに推進する;
遵守評価の実施および国別報告書の作成。
研究、開発、モニタリングの強化。
資金保証メカニズムの改善。
意見募集稿の原文はこちらから確認することができます。
背景
中国はすでに2023年6月6日にて、MEEを始めとする11の政府機関による「2023年第20号公告」を通して、上述した5つのPOPsに対する生産、使用、輸出入に関する規制内容を公開しました(CL-JP記事)。一方、「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)」の関連要求により、締約国は条約が改正する度に、発効した2年間以内に締約国総会に対して国家実施計画を提出する必要があります。