要点:
中国国家衛生・計画生育委員会は、現在、中国における食品接触材料に関わる基準を整理しており、引続き重要な食品接触材料に関する基準について起草・改正を行うこととしています。
現地点では、食品接触材料に用いられる添加物は合計959種類がGB 9685に収載されており、標準改正後、添加物が1,297種類まで増えることになります。
中国における食品接触材料に関わる最も重要な基準として、現行GB 9685-2008「食品容器、包装材料用添加剤使用衛生標準」は現在、中国国家衛生・計画生育委員の委託の下で中国国家食品安全リスク評価センター(以下「食品評価センター」という)にて改正作業が行なわれています。REACH24H主催の「中国食品及び食品接触材料セミナー」で、食品評価センターの張泓氏はGB 9685-2008について、標準の改正作業がまもなく完了し、現在は内部意見募集を行っている段階で、11月に草案を公表する予定だとしています。
2008年版の基準と比較し、改正GB 9685の主要な変更点は以下の通りです:
標準の名称
標準の適用範囲
術語及び定義が一部改正:
術語「食品容器、包装材料」の「食品接触材料及び製品」への改正及び「食品接触材料及び製品」新定義の追加;
術語「特定移動総量限量」及びその定義の追加
各付録の使用説明の追加
適用範囲別で添加物のリスト及び関連基準を整理
フタル酸エステル(CAS番号:131-11-3) を含む4種類のフタル酸の削除、その他のフタル酸に関わる適用範囲、接触制限される食品の種類の調整
ガラス、金属、陶器、磁器に用いられる添加物の削除
付録B「特定移動総量限量要求」及び付録C「金属元素の特別限制規定」の追加
旧衛生部2011年第23号公告にて承認された107種の樹脂の追加等
GB 9685の改正のほか、張泓氏は、下記3つの食品接触材料に関わる標準が現在作成中だとしています:
食品接触材料及びその製品生産通用衛生規範
食品接触材料及びその製品通用安全要求
食品接触材料及びその製品移動試験通則(パブリックコメント募集終了)
また、GB 5009.156「食品用包装材料及びその製品の浸漬試験方法通則」も現在改正中ということは、今回のセミナーで明らかになりました。混合物について、EUで使用が承認されている混合物は食品接触材料に用いられる添加物として認可される見込みはあるかという質問について、張泓氏は現段階では無理だとしています。
食品接触材料及び食品の安全性は消費者の健康に深く関係しています。中国政府は様々な標準について改正を行い、食品接触材料に関わる添加物、製品、製造及び試験方法等の全面的な改善を図っています。