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POPs条約 デクロランプラス、UV-328など三つの物質を附属書Aに追加

 2023年5月1日から12日までスイスのジュネーブで開催された「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約」(ストックホルム条約)第11回締約国会議において、180カ国を代表する代表団は、3つの残留性有機汚染物質(POPs)-殺虫剤のメトキシクロル、難燃剤のデクロランプラスおよび紫外線吸収剤のUV-328を条約の付属書Aに追加することに合意しました。これにより、条約の締約国は対象三つの物質の製造・使用、輸出入を段階的に停止する必要があります。

 その内、メトキシクロルは除外なく禁止されることになります。一方、デクロランプラスとUV-328は特定の用途において期限付きで除外されています。

次の表は3つの対象物質の主な用途と有害性について説明します:

物質名CAS No.用途有害性

メトキシクロル(Methoxychlor)

72-43-5
  • 幅広い害虫に対応する殺虫剤

  • DDTの代替品

  • 難分解性、生物蓄積性、毒性(PBT)

  • 内分泌攪乱作用

デクロランプラス(Dechlorane Plus)

13560-89-9; 135821-03-3; 135821-74-8

  • 多くのポリマー系で難燃剤として使用 

  • エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタンフォーム、ポリエチレン、エチレン・プロピレン・ジエンモノマーゴムなどの熱硬化性樹脂に使用 

  • PBT

  • 遠距離環境輸送

UV-328
25973-55-1
  • 塗料、コーティング剤、シーラントの中に紫外線吸収剤として使用

  • プラスチック、印刷インキ、接着剤などの添加剤として使用

  • PBT

  • 極めて高い難分解性、生体蓄積性 (vPvB)

  • 遠距離環境輸送

杜業翔(ト ギョウショウ)
法規制コンサルタント/Chemlinked Japan編集
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