2024年7月24日、ペルー環境省（MINAM）は、EU-REACHと類似する規制案である「Supreme Decree N° xxxx -2024-MINAM」を環境省省令第00214-2024号のもとで公示し、パブリックコメント募集を開始しました。意見は公示日から10営業日以内にMINAMに提出する必要があります。

背景

　2023年5月28日、ペルーは国家化学物質管理の枠組みを実施することを示す政令第1570号を承認し、官報に掲載しました。この政令により、化学物質の国家登録簿（RENASQ）と優先物質のリスク評価プロセスが確立されました。一方、GHSの実施要件とREACH-Likeプロセスの詳細は、後続の最高法令(Supreme Decree)で取り扱われることになっています。

　化学物質の包括的管理に関する法律（GISQ法）によると、政令第1570号はMINAMの提案に基づき、最高法令によって承認され、適切なセクターの責任者によって追認される必要があり、そのプロセスは1年以内に完了することが求められています。

　そういう中、MINAMはGISQ法の規則の下で承認する最高法令の草案を準備し、その技術的根拠により承認が正当化されることを目指しています。

GHSの実施

　政令第1570号および最高法令の枠組みの下で、ペルーはGHS Rev.6（2015）を危険有害性分類、ラベルおよびSDSの基準として採用します。

　製造業者および輸入業者は、化学物質の危険有害性分類の責任を負います。参考用にAppendix 1に4,404種類の化学物質の危険有害性分類の事前リストが提供されています。このリストは、MINAMによって2年ごとに更新されます。

　急性毒性カテゴリー5を除いて、すべてのGHSクラスおよびカテゴリーが対象に含まれています。

　化学物質のラベルはスペイン語で記載されなければなりません。製造業者、輸入業者、販売業者およびマーケティング業者は、ラベルに記載されたすべての情報の読みやすさを確保する必要があります。ラベルのサイズは、以下に示すように、容器のサイズと形状に比例します：

　小型容器の場合、ラベルは少なくともGHSの附属書7の例8に準拠する必要があります。

　製造業者および輸入業者は、GHSの附属書4に従ってSDSを作成する責任も負います。SDSもスペイン語で記載されることが義務付けられています。SDSのバージョン番号と発行日は最初のページに反映されなければなりません。

評価

　最高法令(案)は、化学物質の危険有害性分類、ラベルおよびSDSの評価プロセスを確立しており、これらは以下のバッチごとにMINAMによって段階的に実施されます：

• 第1バッチ： 最高法令が発効して1年後に化学物質の事前リストをMINAMが評価する;

• 第2バッチ：最高法令が発効して1.5年後に化学物質の事前リストと異なる分類を持つ化学物質をMINAMが評価する;

• 第3バッチ：最高法令が発効して2年後に上記のリストにない化学物質および非危険有害性物質をMINAMが評価する;

• 第4バッチ：最高法令が発効して3年後に商業化前に評価のために提出されていない化学物質をMINAMが評価する。

優先順位付け

　最高法令が発効されて3年後から、MINAMはRENASQに登録された情報に基づいて化学物質の優先順位付けを開始します。

　最高法令が承認されて4年後に、MINAMは健康および環境に対するリスク評価の対象となる優先化学物質のリストを公表します。リストに掲載された化学物質の製造業者または輸入業者は、リスク評価ファイルを作成し、保健省（MINSA）に提出して承認を受ける必要があります。

禁止または制限

　危険有害物質の製造、輸入または使用の禁止または制限は、RENASQに含まれる情報、リスク評価結果、科学的証拠、国際協定、国際基準、または信頼できる情報源から得られた最新の情報に基づいて行われます。

報告

　危険有害物質と見做される化学物質の製造業者および輸入業者は、毎年2月15日までに前年度の製造または輸入数量をRENASQに報告する義務があります。この義務は、最高法令が発効してから3年後に発効します。

　また、混合物の輸入業者は、以下の追加情報を提出する必要があります：

• 名称（商業名称、IUPAC命名法およびCAS番号を含む、該当する場合）。

• 推奨用途。

• 危険有害性分類。

• 前年度に対応する年間数量。

　危険有害物質の製造、輸入または使用が禁止または制限されている場合、これらの物質を含む混合物もRENASQに報告されなければなりません。

最高法令(案)の詳細はこちらで確認できます。