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インド 特定のQCO対象製品において工場検査を免除するBIS簡易登録スキームを開始
インド政府は、5年間の有効期間を持つ「移行促進令(Transition Facilitation Order)」を導入しました。これにより、要件を満たす適格なインド企業は、インド規格(IS)への完全な準拠を維持しながら、事前の強制的な工場検査を受けることなく、特定の品質管理令(QCO)対象製品において「BISスキームII(登録)」を取得できるようになります。

 インド産業国内取引促進局(DPIIT)は2026年6月25日、官報通知S.O. 3417(E)を発行し、「2026年移行促進(品質管理)令」を導入しました。この命令により、対象となるインド企業は、QCOの対象となる特定の製品について、事前の工場検査が必須とされる「スキームI」ではなく、「BISスキームII(登録)」を申請することが可能になります。

 同令は既存のQCO要件や適用されるインド規格への適合義務を免除するものではありません。スキームIIに基づくBIS標準マークライセンスの取得を目指す適格な申請者に対し、代替となる適合性評価の経路を提供するものです。これは、適用規格への準拠を維持しながら、サプライチェーンのボトルネックを解消し、インド国内での技術移転や研究開発を促進し、現地製造を支援することを目的としています。

 また、DPIITは「2026年移行促進(品質管理)令」の運用を円滑化するためのガイドラインを公表しています。

適格な申請者と資格取得の経路

 本スキームは、2013年会社法に基づきインドで設立され、技術、設計能力、または研究開発(R&D)活動をインドにもたらす企業を対象としています。規定されている資格取得の経路は以下の通りです。

  • 直接的な能力開発:インドにおけるサプライチェーン能力を強化するための工場・機械設備への投資、研究開発、または技術導入。

  • 受託製造(契約製造):グループ会社や親会社の資格・実績に裏打ちされた、インドにおける受託製造体制の活用。

  • 実証済みのコンプライアンス遵守状況:過去3年連続でQCO違反がない実績。

 グローバル企業や親会社は、企業・財務・技術・関係性に関する各種文書を通じて申請を支援することができます。ただし、申請手続き自体は、要件を満たすインド法人が行う必要があります。

本令の対象製品

 本令の対象となるQCOおよびその施行日は以下の通りです。

品質管理令(QCO)施行日
玩具(品質管理)令、2020年2021年1月1日
個人用保護具-履物(品質管理)令、2020年2022年1月1日
エアコンおよび関連部品、密閉型コンプレッサー、温度感知制御装置(品質管理)令、2019年2023年10月1日
ゴム製およびポリマー素材製履物とその構成部品(品質管理)令、2024年2024年8月1日
皮革およびその他の素材製履物(品質管理)令、2024年2024年8月1日
家庭用給湯電気機器(品質管理)令、2025年2025年3月1日
家庭用衣類洗濯電気機器(品質管理)令、2024年2025年4月1日
蝶番(ヒンジ)(品質管理)令、2025年2025年7月1日
家具(品質管理)令、2025年2026年2月13日
家庭用・商業用および類似の電気機器の安全性(品質管理)令、2026年2026年10月1日

申請および評価プロセス

 申請は「ナショナル・シングル・ウィンドウ・システム(NSWS)」を通じて行うか、DPIITの共同書記官/局長(技術規制担当)へ書面で提出することができます。申請者は、附属書A(ガイドライン)に沿った情報とともに、関連する企業情報、技術情報、およびプロジェクト情報を提出する必要があります。

指定されている提出書類は以下の通りです。

  • 設立証明書

  • 輸出入コード(IEC)、GSTIN(物品サービス税登録番号)、PAN(恒久口座番号)

  • 取締役会による授権書

  • 過去3年間の監査済み財務諸表

  • 外国工場の登録書類

  • インドの申請者と親会社またはグループ会社との関係を証明する宣誓書

  • 特許、意匠登録、金型所有権の記録、エンジニアリング能力の記録、または既存のBISライセンス

  • インドルピー建ての投資額、3年間のマイルストーン、土地・機械導入計画、事業運営計画、および雇用目標を明記したプロジェクト・ロードマップ

 提出された申請は、リスクベースの評価手法を用いて実施委員会により審査されます。審査では、技術的能力、設計管理、コンプライアンスの遵守状況と透明性、ならびに投資や能力開発に対する申請者のコミットメントなどの要素が考慮されます。委員会の推奨を経て、連邦商工大臣の承認が得られた後、DPIITから許可証(Permission Letter)が発行されます。

 なお同令には、この優遇ルートにおいては事前の強制的な現地工場検査が不要である旨が明記されています。ただし、申請後も定期的なレビュー、市場監視、および第三者監査の対象となる点には留意が必要です。

継続的なコンプライアンス義務

 この優遇ルートを利用する企業は、該当する会計年度終了後60日以内に、公認会計士の認証を受けた年次コンプライアンス報告書を提出する必要があります。また、四半期ごとの輸入および出荷申告書をDPIITへ提出することも求められます。

 したがって、スキームIIルートは初期評価の手続きを変更するものであり、継続的な報告、監視、監査、あるいは製品適合の義務そのものを免除するものではありません。

有効期間と移行期間

 「2026年移行促進(品質管理)令」は、官報通知より5年間有効となります。申請の受付期間は、2026年6月25日から24か月間です。この簡素化されたスキームIIルートの活用をご検討される企業様は、受付期間内に対象要件を満たしているかを評価し、必要な企業・技術的証拠(エビデンス)を準備するとともに、四半期ごとの申告や年次認証報告に向けた管理体制を構築する必要があります。

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杜業翔(ト ギョウショウ)
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