本日、欧州化学品庁(ECHA)は、今後のPFAS規制を分割する計画を公表しました。その理由として、時間的制約と欧州委員会が7月に発表した化学産業行動計画が挙げられています。この分割により、いわゆる「追加された分野」とされる8つのカテゴリーが今後の規制プロセスから除外されます。これらの分野は、印刷用途、密封用途、機械用途、爆発物、軍事用途、技術繊維、より広範な産業用途やその他の医療用途が含まれています。
しかし、これらの分野については規制の対象として規制することは絶対に必要です。まずは、これらは多量のPFAS使用および排出源となっています。例えば、密封用途により、今後30年間でPFASの使用量が130万トンに上ると予測されます。次に、これらの分野を含めることは、規制案の包括的かつ全体的なアプローチ(文書提出者が常に意図を持ったもの)を維持するためにも重要です。
PFAS規制は最優先の政治課題として取り組むべき
これは単なる一般的な規制のかわりに、現代の最大の環境危機の一つに対処するものです。PFASの極めて高い持続性と非常に広範な用途を考え、PFAS危機に対処する唯一の方法は、すべての用途を対象とする包括的なアプローチで「供給を止める」ことです。
「PFAS危機に対処する唯一の方法は、すべての用途を対象とする包括的なアプローチで「供給を止める」ことです。」
それでもECHAの決定がPFAS規制に重大な影響を与えることに納得できない場合、さらに5つの理由を以下に示します。
時間的制約は正当な理由にならない
ECHAはこの決定を下した理由として時間的制約を挙げています。しかし、これは十分ではありません。これはEU市民や地球全体に対する敬意の欠如につながります。PFAS危機への対処は最優先の政治的課題として取り組むべきです。また、この規制を正しく運用することは、単に作業を完了するためにプロセスを急ぐよりもはるかに重要です。
全体像が見えない欧州委員会
ECHAがこのように化学物質規制を分割するのは史上初のことです。このような分割アプローチは、透明性やPFAS規制プロセス全体を損ないます。科学委員会がこれらを意見に反映しないため、欧州委員会は最終規制案を策定する際に全体像を把握できません。これは容認できないと考えられるべきです。また、全PFASのすべての用途をEU域内で段階的に廃止し、社会にとって代替品がまだ利用できないエッセンシャルユースのみを許容するという「持続可能な化学物質戦略」におけるコミットメントとも明らかに矛盾しています。
「この規制を正しく運用することは、単に作業を完了するためにプロセスを急ぐよりもはるかに重要です。」
業界が情報を隠蔽することを引き起こす
この決定は、意見募集で情報を隠蔽した業界を表彰することになります。これは全く容認できません。そもそもその逆であるべきです。ECHAは、当局が従来「追加された分野」に関する情報を欠如していたと主張していますが、もはやそうではありません。PFAS規制案の文書提出者は、これらに関するすべての背景情報を提供しました。
先進的な企業が不利益を被る
これらの8つの追加された用途(分野)に関するPFASの代替にすでに投資していた先進的な企業は、今や不利益を被っています。「公平な競争環境」が失われ、今後の市場シェアを失うおそれがあります。明確な規則と予測可能なスケジュールは非常に重要です。どうでなければ、イノベーションはすべてのインセンティブを失います。
より安全な代替品はすでに利用可能
市場に関して言えば、ECHAの決定は、除外用途の一部についてすでにより安全な代替品が利用可能であるという事実を完全に無視しているようです。例えば、技術繊維について、ChemSecは去年、この用途(分野)におけるより安全な代替品に関するウェビナーを開催しました。
(注意:この記事に記された内容や意見は、著者の個人的見解です。)
本記事の著作権は、2002年に設立された国際化学物質事務局(ChemSec)に帰属します。なお、記事を日本語に翻訳して掲載することについて、当社とChemSecとの間で合意がなされています。ChemSecは、有害化学物質をより安全な代替品に置き換えることを提唱し、独立した非営利団体として活動しています。転載元:ChemSec