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CRAC2021シリーズ アマゾンからみる危険物の管理対策及びコンプライアンス対応について

 インターネットの発展・普及に伴い、化学品分野にもデジタル化の波が押し寄せています。そういう背景に、企業としては、ビジネスプラットフォームがどのように危険物の管理を関連法規制に適合させるかについて、予め明確化するほうがいいでしょう。 

 このように、2021年12月7日、「CRAC‐HCF2021特別Onlineサミット」の講演で、アマゾンの専門家Mark Fellin氏及びJerry Lu氏は、アマゾン(Amazon)による危険物の管理対策及びコンプライアンス対応のポイントを参加者に共有しました。

 Mark Fellin氏の説明によると、アマゾンは危険物管理のイノベーションを通じて、グローバル・ビジネスモデルの更新や顧客・職員・運営パートナーの安全確保を意図した目標の方向へ向けています。それに続いて、Jerry Lu氏は「アマゾンでは、安全とコンプライアンスを最優先して事業活動を行っています」と強調しました。

 また、Jerry Lu氏によれば、アマゾンによる危険物のコンプライアンス管理においては、製品安全・法令順守を確認するための流れ、提出に必要な書類、及びコンプライアンスの知識ポータル(CKP:Compliance Knowledge Portal)が肝心の部分です。主な内容は以下となります。

1.発売前後の製品安全・コンプライアンスを確保するための流れ

 発売前の場合は、機械学習(ML)により、出品者に対して、アカウントの本人確認、安全・コンプライアンスに関する契約の締結、商品の識別及び分類、販売禁止商品の出品不可、一部の高リスク商品への追加要件を積極的に行います。一方、発売後の場合は、商品を取り巻く安全問題に相応の取り込みを実施します。

2.書類提出

 アマゾンで危険物商品を販売すると、安全データシート(SDS)の提出が求められます。SDSの提出を通して、危険物の判定が速やかに行われる可能です。ただし、電池や電池駆動商品または有害な化学薬品を含まない商品の場合はSDSのかわりに、適用除外シートを提出する必要があります。

3.出品者の法令順守を支えるCKP

 アマゾンの調査・研究によると、出品者においては、主にコンプライアンス要件及びその準拠を支援できる対象が不明であるという問題点が存在しています。それに対し、2021年11月19日、アマゾンはCKPを新たに追加しました。CKPの機能としては、出品者がコンプライアンスのリスク及びコストを予測するよう支援するほか、信頼できるコンプライアンス・コンサルティングサービスの選択肢を提供することです。

 以上のコンプライアンス管理対策から見れば、正にJerry Lu氏が指摘した通り、支援するものもない中で、企業独自で一所懸命に危険物のコンプライアンス対応に努めることなく、関連コンサルティング会社や試験機構等も参与することがお勧めされています。

羅 雪純(ラ セツジュン)
ChemLinked Japan編集
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