サクラメント，カリフォルニア州ー2023年9月13日、カリフォルニア州議会は、有害な「永遠の化学物質（forever Chemicals）」と呼ばれるPFASを含む家庭用および施設用洗浄剤を州内で販売することを禁止する法案（以下、「法案」という）を提出しました。本法案は議会で可決され、米カリフォルニア州知事（Gov. Gavin Newsom）の署名待ちとなっています。

　米カリフォルニア州議会下院議員のDr. Akilah Weber (La Mesa-San Diego)は、PFASから消費者および労働者の健康を保全するために議会法案（AB）727を提出しました。ほぼ分解されないことから永遠の化学物質として知られるPFASは、洗浄剤やその他の多くの製品に使用され、何百万人もの人々の健康に危害を与えています。

　同法案が成立すれば、禁止令は2026年1月1日より発効します。これにより、カリフォルニア州は家庭用および施設用洗浄剤におけるPFASの使用を禁止する最初の州になります。また、本法案の禁止措置は2028年1月1日以降、施設用床仕上げ剤およびシーラーにも適用される見込みです。

　Dr. Akilah Weberは、次のように述べました。「これらの有害物質による水質汚染が起きているのは憂慮すべきことです。当該法案を提出したことは、PFASの有害な影響を緩和し、カリフォルニア州の住民および環境を守るための実質的な動きです。洗浄剤にPFAS代替品を使用する義務は製造者にあります。」

　Environmental Working Group（米環境ワーキンググループ、EWG）及びCalifornia Association of Sanitation Agencies（カリフォルニア衛生機関協会、CASA）は、この法案を支援しています。

　EWGのカリフォルニア州政府問題担当シニアアドボケイトであるSusan Little氏は、「消費者は洗浄剤のような日用品を使用する際に安心感を得るべきです」と述べました。

　そして、Susan Little氏は次のように付け加えました。「PFASの健康への影響については多くの研究による検証が行なわれています。家族、労働者、地域・社会を守るため、洗浄剤からこれらの永遠の化学物質を排除するための早急な措置を講じる時期に来ています。」

　ごくわずかの量でも飲料水中のPFASは、免疫系を抑制し、がんのリスク上昇・コレステロールの増加・生殖や発達障害など深刻な健康被害に繋がっています。

　これらの化学物質は、洗浄剤、パーソナルケア製品、食品包装、繊維製品（例えば、防水性の衣料）など幅広い消費者用製品に使用されています。

　カリフォルニア衛生機関協会事務局長のAdam Link氏は、「私たちは議会によるAB 727の可決を称賛し、この問題に対してリーダーシップを発揮した議員のWeber氏に感謝の気持ちを持っています。この重要な法案は、PFASを流域河川から排除するために排出源に対して規制するものです。環境を保護し、必要不可欠なサービスを手ごろな価格で提供し続けるように、これらの化学物質の商業的流通を排除する政策を推進し続けることが重要です」と指摘しました。

　PFASは、新生児を含む地球上のほぼすべての人の血液に含まれています。これらの化学物質は難分解性であり、環境中に残留し、人や動物の体内に蓄積される恐れがあります。

　「グリーン」や「ナチュラル」とうたっている洗浄剤でさえ、健康問題を引き起こす可能性のある成分を含有する場合があります。製造者は、がんを引き起こしたり、健康や環境に悪影響を及ぼしたりすることが知られている成分を含む、ほぼすべての成分を使用することが可能です。

　「あまりにも長い間、企業は消費者に情報を開示せず、これらの危険な物質を洗浄剤に使用することが許可されています。しかし、消費者は間もなくより安全な製品を手に入れることが可能となります」とEWGのクリーニング科学シニア・ディレクターであるSamara Geller氏が述べました。

　Geller氏の話によると、カリフォルニア州は洗浄剤でのこれらの化学物質の含有を禁止することを通じて、PFASへのばく露を減らすとともに、州内のすべての住民に対してより清潔な生活環境を確保するために重要な一歩を踏み出しました。

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　Environmental Working Group（EWG）は非営利、超党派組織であり、人々がより健康的な環境でより健康的な生活を送れるよう支援しています。研究、アドボカシー活動および独自の教育ツールを通じて、EWGは消費者の選択と市民の行動を促進しています。

　California Association of Sanitation Agencies（CASA）は、公衆衛生および環境を守るため、廃水とバイオソリッドの収集・処理・リサイクル関連事業の業務に従事する125以上の地方公共機関を代表する組織です。CASAはカリフォルニア州の清潔な水機関を代表するものとして、信頼できる情報及びアドボカシーを提供し、持続可能性・再生可能資源の活用においてリーダーとなることを図っています。 https://casaweb.org

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