1.台湾地区RoHSの概況
台湾地区は、CNS 15663「電機電子類設備降低限用化學物質含量指引」を発行し、RoHSのような規制を導入しました。CNS 15663では、電気電子機器(EEE)に含まれる特定有害物質の濃度限度、表示要件や適用除外の条件などを規定しています。2016年12月1日以降、同規制は台湾地区内で生産又は輸入される電気電子機器に適用されます。
2.所轄当局
台湾地区の経済部(MOEA)管轄下にある標準検査局(BSMI)は、台湾地区RoHSの所管当局です。
3.規制対象物質
台湾地区RoHSでは、規制される物質は合計下記の6物質となっています。
| 対象物質 | 最大許容濃度 |
| カドミウム(Cd)及びその化合物 | 0.01% |
| 鉛(Pb)及びその化合物 | 0.1% |
| 水銀(Hg)及びその化合物 | |
| 六価クロム(Cr6+)及びその化合物 | |
| ポリ臭化ビフェニル(PBB) | |
| ポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE) |
注意:
規制対象物質の試験基準は、CNS 15050「電機電子製品–6種の規制物質(鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、ポリ臭化ビフェニル、ポリ臭化ジフェニルエーテル)の測定法」です。
蛍光灯に含まれる水銀は、CNS 15479 「蛍光灯管中の水銀含有量測定方法」に規定する方法により測定されます。
4.規制の対象となる製品
電気電子機器(EEE)とは、CNS 15663附属書Bに収載されているものも含む、C1,500V又はAC1,000V未満の定格電圧を持つ機器および附属品のことです。一般消費者向け製品から産業機械・業務用機器にも及ぶ幅広い製品が対象となっています。具体的には、
大型家電(Large household appliances);
小型家電(Small household appliances);
情報および通信装置(IT and telecommunication equipment);
消費者用機器(Consumer equipment);
電気を利用した光源および照明器具を含む照明装置(Lighting equipment (including electric light bulbs and household luminaires));
大型の固定式工業用機械を除く電気電子類機器(Electrical and electronic tools (with the exception of large-scale stationary industrial tools));
玩具、レジャーおよび運動用装置(Toys, leisure and sports equipment);
自動販売機(Automatic dispensers);
CNS3765、CNS14408およびCNS14336-1に該当するその他の装置。
5.適用除外製品
以下の基準のいずれかに該当する電気電子機器は、台湾地区RoHSの規制対象外です。詳細は、CNS 15663の附属書をご確認ください。
国の安全および/または軍事用途の製品;
電力駆動ではない製品;
電気電子類部品を必要とせずにその主な機能を達成できる製品;
他種製品の一部を構成する装置;
電池;
大型かつ固定式の工業用機械。
また、CNS15663の付属書Dでは、制限対象物質の含有量の制限を免除できる37の条件が規定されています。
6.指定対象となる電気電子機器及びRoHSの適合期限
CNS 15663は強制的に適用になるものではなく、標準検査局(BSMI)によって特定された電気電子機器(EEE)のみが適用対象となります。BSMIは電気電子機器を指定し、台湾地区RoHSに完全に準拠するためのさまざまな期限を設定しています。今までのところ、ほとんどの電気電子機器は期限切れとなり、台湾地区RoHSへの準拠が求められています。詳細は、下表をご確認ください。
| 製品タイプ | 発表日 | 完全実施日 |
| 自動データ処理機械及びその他のEEE(6件) | 2015年12月29日 | 2017年7月1日 |
| ネットワークメディアプレーヤー及びプロジェクター | 2015年12月29日 | 2017年7月1日 |
| ウォーターディスペンサー | 2016年4月6日 | 2016年12月1日 |
| プラグ・コンセント、アダプター、コードセット及びその他の関連製品 | 2016年12月27日 | 2018年1月1日 |
| ラジオキーボード及びその他のEEE(92件) | 2017年1月4日 | 2018年1月1日 |
| セルフバラスト蛍光ランプ | 2017年2月24日 | 2018年1月1日 |
| 飲料水供給装置 | 2017年3月24日 | 2018年1月1日 |
| 単相ACモーター及びその他のEEE(32件) | 2017年3月27日 | 2018年1月1日 |
| 電源装置及びその他のEEE(7件) | 2017年4月10日 | 2018年1月1日 |
| エアコン、照明器具及びその他のEEE(8件) | 2017年4月24日 | 2018年7月1日 |
| 蛍光ランプ及び関連する電子安定器 | 2017年4月25日 | 2018年1月1日 |
| 印刷機又は複写機 | 2017年5月18日 | 2018年1月1日 |
| 電気毛布及びその他のEEE(63件) | 2017年8月23日 | 2018年1月1日 |
| 電動自動車の車載充電器及び電動アシスト自転車の車載重電器 | 2017年10月5日 | 2019年1月1日 |
| 拡声器及びその他のEEE(24件) | 2017年10月12日 | 2018年7月1日 |
| レンジフード | 2018年2月27日 | 2019年1月1日 |
| 車載カメラ及びその他のEEE(7件) | 2018年3月20日 | 2019年1月1日 |
| 車載シガーライター用電源装置 | 2018年5月3日 | 2019年1月1日 |
| 電動式のウォシュレット | 2019年5月14日 | 2020年7月1日 |
| 電気ボイラ | 2019年5月20日 | 2020年1月1日 |
| 蓄熱式電気温水器及びエアコン | 2019年5月24日 | 2020年7月1日 |
| ワイヤレス充電器 | 2019年5月27日 | 2020年1月1日 |
| スイッチング電源及びその他のEEE(12件) | 2020年3月19日 | 2020年3月19日 |
| 電気自動車(EV)充電システム | 2020年5月14日 | 2021年5月1日 |
| 熱陰極蛍光ランプ | 2020年6月1日 | 2021年1月1日 |
| デュアルモード発光ダイオード(LED)ランプ | 2020年6月23日 | 2022年1月1日 |
| 布製スチーマー | 2021年9月23日 | 2023年1月1日 |
| 空気清浄機 | 2021年11月16日 | 2023年1月1日 |
| 紫外線消毒器 | 2021年12月23日 | 2023年5月1日 |
7.義務
最大許容濃度を超える制限対象物質を含む電気電子機器(EEE)は、市場に入ることが可能です。ただし、CNS15663に規定された規制対象物質の含有表示を行うことが義務付けられています。また、検査対象となるEEEは、「商品検査法」に基づく要件に適合していない場合には、製造工場からの直接出荷や輸出入が禁止されます。
含有表示
CNS 15663第5章の要求事項に基づき、製品のユニット品及び付属品に含まれる規制対象物質の含有判定は、下表に示す通りとします。これは、機器本体・包装容器(箱)・取扱説明書などへの記載が必要となります。


最大許容濃度を超える場合、「0.1wt%を超えること」や「0.01wt%を超えること」など「含有量(wt%)」を表示;
CNS 15663附属書Dに定める除外条件に該当する場合、「—」を表示(例えば、シングルキャップ(コンパクト)蛍光ランプの水銀含有量は、規制対象物質の使用制限の適用から除外);
最大許容濃度を超えない場合、記号「O 」又は「許容濃度を超えていないこと」を表示。
商品検査マーク(BSMIマーク)
「商品検査法」に基づき、電気電子機器(EEE)は標準検査局(BSMI)の適合性評価・検査スキームの対象となります(EEEが指定されると同時に公表)。
電気電子機器の検査は、以下の3つのスキームに従って実施されます。
1.商品検験登録(Registration of Product Certification:RPC)
商品検験登録を申請する場合、製造者又は輸入者は、BSMIに申請書とともに中国語(繁体字)で書かれた関連情報及び技術文書を提出する必要があります。
2.型式承認バッチ検査(Type Approved Batch Inspection:TABI)
バッチ検査の対象となる電気電子機器の場合には、製造者又は輸入者は、BSMIにバッチ検査申請書を提出しなければなりません。BSMIが別途承認しない限り、同一の検査申請書における電気電子機器は、同一カテゴリー、同一型式、同一仕様のものとします。
検査に合格した製品は、BSMIから付与される「T」の文字と識別番号を記載した商品検査マークを使用することが許可されます。型式承認の申請料はNT$3,500です。そして、型式承認証明書の有効期間は3年間です。一方、検査実験室の料金規定に基づき、型式検査の料金は製品によって異なっています。
検査に不合格となった場合には、製造者または輸入者は、BSMIから検査の不合格通知書を受け取ってから15日以内に無料で再検査を申請しなければなりません。
3.適合宣言書(Declaration of Confirmation:DoC)
適合宣言書は、指定された電気電子機器の製造者または輸入者が検査基準に適合していることを示すために発行する文書です。
BSMIの検査に合格した電気電子機器の場合には、「商品検験登録」の証明書が発行されます。検査マーク(下記をご参照)は、製品に表示されます。

各マークには、「R」、「T 」又は「D」で始まる5桁の識別番号を割り当て(識別番号と「RoHS 」は図記号の下又は右に位置づけること);
「RoHS 」は、6つの規制対象物質すべてが最大許容濃度を超えないことを意味;
「RoHS(XX,XX) 」は、製品が最大許容濃度を超える特定の制限対象物質を含有することを意味(例えば、RoHS(Cd, PBB)は、製品に含まれるカドミウム(Cd)とポリ臭化ビフェニル(PBB)が最大許容濃度を超えていることを示すこと)。