2022年7月28日に、中国国家衛生健康委員会(NHC)は国家市場監督管理総局(SAMR)と共同で、36件新しい食品安全国家標準及び3件改訂表を発表しました。その中には二つの食品接触材料標準「GB 4806.8-2022 食品安全国家標準 食品接触用紙と紙板及び与製品」と「GB 4806.12-2022 品安全国家標準 食品接触用竹木材料及び製品」が含まれています。詳細は以下となります。
「GB 4806.8-2022 食品安全国家標準 食品接触用紙と紙板及び与製品」
本標準は2023年1月16日に施行されることになります。現行の「GB 4806.8-2016 食品安全国家標準 食品接触用紙と紙板及び与製品」に比べれば、以下五つの変更があります。
定義:新版標準は再生セルロースフィルム(セロハン)製食品接触材料及び製品にも適用されます。
官能要求:漂白されておらず、着色剤が添加されていない紙や板紙の脱色は異常着色とはみなされません。
遷移指標:紙製品中のリグニン、総糖などの天然物質は過マンガン酸カリウムを消耗する要因であり、これらの天然物質は人体に傷害を与えないため、過マンガン酸カリウムの消耗量を削除します。
残留制限量:「1,3-dichloro-2-propanol」と「3-Chloro-1,2-Propanediol」の残留制限量を追加、それぞれ(DL=2ug/ L)と12ug/Lに設定します。
サンプリング方法:ホルムアルデヒドのサンプリングエリアについては、紙と板紙材料及び製品面積の片面のみで計算します。
「GB 4806.12-2022 品安全国家標準 食品接触用竹木材料及び製品」
本標準は適用範囲、用語と定義、基本要求、技術要求などを含み、2022年12月30日に施行する予定です。主な内容は以下となります。
適用範囲:食品接触用竹木材料及び製品に適用します。
定義:竹木製品とは、竹、木またはコルクで作られた材料と製品を指し、コルク栓と植物繊維板製品を含めます。
官能要求:色が正常であること、バリ、虫食い、異臭、カビ、その他の汚れはありません。遷移試験により得られた浸漬液は沈降、異臭、異常着色などの官能性能の劣化があってはなりません。
遷移指標:総移転量≦10 mg/dm2、ホルムアルデヒド≦15 mg/kg、二酸化硫黄(水)≦10 mg/kg、ペンタクロロフェノール及びその塩類(ペンタクロロフェノールとして)≦0.15 ug/kg。
残留制限量:チアベンダゾール≦1.2 mg/kg、o‐フェニルフェノール≦4.8 mg/kg、イマザリル≦0.4 mg/kg、ビフェニル≦0.6 mg/kg。
その他:食品と直接接触することが予想され、消毒や洗浄をせずに直接使用される竹木材料及び製品の微生物はGB 14934の規定に適合しなければならないが、食用、調理又は加工前に皮をむき、殻を取り除き、又は洗浄する必要がある食品と接触する竹木材料及び製品は除外します。
食品工業における紙、竹、木などの材料と製品は用途の広い材料です。特に今回発表されたGB 4806.12-2022は、食品接触竹木製品監督管理の空白を効果的に埋めました。それに、消費者健康を保障し、企業行為を規範化し、良好な市場秩序を維持するためにも重要な役割を果たします。
なお、上記の基準はいずれもChemLinked Food Regulatory Databaseで確認することができます。日本語版が必要な場合は、いつでもご連絡ください。