2019年9月3日、化学品環境安全管理分会場で、華東理工大学環境資源学院院長修光利氏は揮発性有機化合物(VOCs)について議論しました。PM2.5による汚染は、過去5年間で中国の最大の「問題」となりました。そして、VOCsは微粒子(PM2.5)及びオゾン(O3)の重要の原因であり、既に中国大気環境保護の重点課題となりました。
修光利先生
近年、国家と地方地域はVOCsに関連する政策が集中的に導入されています。以下の図1は一部の地域が重点業界に対する規制要件となります。
表1
地域 | 削減量(2015年比) | VOCs排出重点業界 |
国家 | 10%以上 | 石油化学、化学工業、工業コーティング、包装印刷など |
広東省 | 18% | 化学工業、工業コーティング、印刷、電子工業など |
浙江省 | 20%、重点業界30%以上 | 石油化学、化学、工業コーティング、合成皮革、織物印刷及び染色、ゴム及びゴム製品、包装印刷、鉄鋼、セメント、ガラス |
上海市 | 重点業界50%以上 | 石油化学、自動車及び部品製造、家具製造、木製品加工、包装印刷、コーティングとインク製造、造船など |
山東省 | 20%以上 | 石油化学、化学工業、工業コーティング、包装印刷など |
陝西省 | ‐ | 石油化学、化学工業、工業コーティング、包装印刷、家具、電子製造、工程機械製造など |
VOCs規制―発生源管理
国家レベルで低VOCs製品の定義はまだ存在していません。但し、国家規格は既に準備中であり、一部は今年末に公表される予定です。具体は以下の表を参考ください。
表2
製品種別 | 基準 |
塗料 | 低揮発性有機化合物含量塗料製品の技術要件(国家推薦制基準) 工業保護用塗料中の有害物質限量(国家強制基準) |
インク | インク中の揮発性有機化合物(VOCs)含量の制限(国家強制基準) |
接着剤 | 接着剤揮発性有機化合物限量(国家強制基準) |
洗浄剤 | 洗浄剤揮発性有機化合物の制限値(国家強制基準) |
地方レベルでは、一部の地域は既に製品のVOCs上限値基準を公布しました。深圳市では、既に使用された塗料のVOCs含有量上限値はSZJG 54-2017「低揮発性有機化合物塗料技術規範」の規定に違反したため、処罰を受けた企業があります。
また、VOCs規制について、修氏は、VOCs規制の方向は発生源管理であり、汚染物項目を増加させ、上限値の基準ももっと厳しくなると指摘しました。
VOCs規制―無組織排出
最近、中国はVOCs排出の国家基準を公布しました。この基準では、企業のVOCs無組織排出廃気の収集処理システムの要件、及び地域のVOCs処理施設の排出率の個別要件、とVOCsの処理効率を規定しています。また、低VOCs含量製品の規定に準ずる原材料及び補助材料を使用される製品対して規制要件も比較的に低いです。
表3
類型 | 規制要件 |
VOCs排出規制要件 | ・10.3.1 VOCs廃気収集処理システムの汚染物の排出は、GB 16297又は関連の業界排出基準の規定に準ずる必要がある ・10.3.2 収集された廃気の中NMHCの初期排出率3㎏/h以上の場合、処理効率80%以上の処理施設を配置する必要がある;重点地域に対して、収集された廃気の中NMHCの初期排出率2㎏/h以上の場合、処理効率80%以上の処理施設を配置する必要がある;使用される原材料及び補助材料は、低VOCs含量製品の規定に準ずる製品が除外される。 |
表4
NMHC初期排出量 | 規制要件 | 処理技術 |
≥2 kg/h | 排出濃度 | 燃焼(TO 、 VCO 、RTO 、RCO)、吸収、吸着など |
浄化効率 | ||
<2 kg/h | 排出濃度 | 収集後の濃度が高い場合:燃焼、吸着、吸収 |
収集後の濃度が少し基準を超える場合:プラズマ、光分解など | ||
収集後の濃度が基準に合格する場合:処理する必要はない |
企業は、VOCsの発生源管理、と塗料、インク、接着剤、浄化剤のVOCs含量上限値の最新情報に注意を支払う必要があります。また、VOCsに関する環境監督管理状況に注意を支払い、監督重点と検査要点を理解し、企業の自己管理システムの改善を続けることを勧め致します。