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中国 耐指紋機能性塗料の業界標準(案)が完成、来年に正式公布する見込

 耐指紋機能性塗料とは、指紋が残りにくい及び指紋が抜きやすい機能が持つ塗料のことを指します。特に近年、スマートフォンや、ウェアラブルコンピュータなどタッチパネルへの依存度が高いデジタル製品の急速な発展により、耐指紋機能性塗料への需要は高まり一方です。

 タッチパネルなどの表面に指紋が残ると、使用体験を損ない場合もあります。また、EV車をはじめ、自動車の中央部に大きなモニターが配置される傾向がある現在、指紋の残りは運転の安全性に影響を及ぼす恐れがあります。

 デジタル製品のメーカーだけではなく、一部の家電メーカーや、家具メーカーも耐指紋機能性塗料に熱い目線が注いているということです。

 とは言え、中国ではまだ耐指紋機能性塗料に関する国家標準(GB)がないのは現状です。その上、VOCの含有量を制限する中国国家標準「工業防護塗料中有害物質の制限量(GB 30981-2020)」では、一部の耐指紋機能性塗料を「特殊機能性塗料」と定義し、VOC含有量の制限から免除しています。それを受け、一部の塗料メーカーは耐指紋性が不十分な塗料を耐指紋機能性塗料と称し、GB 30981-2020の遵守から逃れようとしています。

 そういう背景に、管理当局(工業と情報化部)及び中国の一部の企業は耐指紋機能性塗料の化学工業業界標準(HG)を作成することに決意しました。その名は「中国化学工業業界標準:耐指紋塗料(HG/T XXXX-XXXX)」となります。今年の6月下旬に、草案がすでに完成され、今年の8‐9月に意見募集を行い、来年に正式公布する計画です。

 現段階の案により、耐指紋塗料はⅠ型とⅡ型と二種類に大別されています。その内、Ⅰ型はガラス及び透明プラスチックなど透明な材料に使用されています。一方、Ⅱ型は金属及び不透明プラスチックなど不透明な材料に使用されています。

 Chemlinked Japanは本業界標準案の日本語・英語両方の仮訳サービスを提供しております。正式版への更新も含まれておりますので、ご興味の方は気軽にお問い合わせください。

 

杜業翔(ト ギョウショウ)
法規制コンサルタント/Chemlinked Japan編集
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