中国 国内における炭素排出権取引市場の効率化を推進

 中国はより効果的な炭素取引市場を確立するとともに、低炭素化している未来へのスムーズな移行を支援する予定です。 

 2021年7月16日、中国で全国統一の炭素排出権の取引が開始し、世界最大規模の排出権取引市場が誕生しました。これは環境保護事業の推進を目指す中国において画期的な出来事です。CO2等の排出権を売買する炭素排出権取引市場(以下、「炭素市場」という)では、排出抑制に取り組んでいる企業は一定の排出枠を取得した後で、実際の排出量がその排出枠を超えた場合、他の市場主体から排出枠を購入する必要があるのに対し、超えない場合、余った分を売却することが可能です。            

 その後、2021年9月7日、「国際・国内炭素市場及び低炭素経済」と題する会議[1]が開かれました。今回の会議では、関連分野の専門家が取引量、取引主体及び今後の動向にフォーカスし、中国国内の炭素市場について演説を行いました。

 上海環境エネルギー取引所代表取締役の頼暁明氏は今回の演説で、「中国で全国炭素市場の始動と市場メカニズムの導入を目指す動きは加速しているものの、市場全体の取引量はそれほど多くない状況と言えます」と述べました。

 そして、北京環境取引所総経理の梅徳文氏は、国内外での自主的炭素市場の状況を紹介しました。梅氏によると、中国国内の自主的炭素市場の場合は、取引主体の市場化、取引製品の金融化及び取引監督管理の国際化に向けて動き出す傾向が見られる一方、国際的に活躍している自主的炭素基準の場合は、CAR(気候アクションリザーブ)、ACR(アメリカン・カーボン・レジストリ)、VCS(カーボンオフセットの任意基準)認証、Gold Standard(ゴールド・スタンダード)、CDM(クリーン開発メカニズム)、中国認証排出削減量(CCER)があることが分かりました。今後、炭素市場は標準化かつ国際化された市場になることが予想されます。また、同市場の建設は、産業構造の転換が必要不可欠ですが、発展途上国と認定された中国への挑戦とも言えます。これに対し、梅氏は中国認証排出削減量(CCER)の制度を導入し、新エネルギー産業発展、低コスト・高効率なコンプライアンス対応を促進するためのCCERを利用する市場に移行する必要があると指摘しています。

 最後に、清華大学エネルギー・環境経済研究所副所長、中国炭素市場研究センター主任の段茂盛氏は、中国炭素市場の今後の動向について演説を行いました。段氏の話によれば、炭素市場は数量アプローチに基づく手段であるため、強力な炭素価格シグナルが必要となります。これは、炭素排出量の多い企業にとっても金融機関にっとも非常に重要であると言えます。

 昨年、中国は2030年までにCO2排出のピークアウト、2060年までにカーボンニュートラルの実現、即ち「3060目標」[2]を発表しました。そのため、「3060目標」に応じて炭素市場を設ける必要があります。具体的には、以下となります。

  • 全国炭素市場の業界カバー範囲を拡大:建築材料、非鉄金属、鋼等の分野を含む;
  • 排出総量を設定:主にCO2排出強度、国家及び業界の排出ピークアウトの目標と一致する絶対量に基づいて設定される;
  • 方法を改善:排出枠の割当、無償割当方法を改善し、オークション方法を導入する;
  • 市場規制及び監督を強化。

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