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中国 12号令の具体案―新化学物質環境管理登記指南(意見募集案)を公開

 2020年8月17日、中国生態環境部(MEE)は「新化学物質環境登記指南(意見募集案)」に関する通知(環弁便函〔2020〕278号)を公開し、各機構団体、企業単位と個人に向けて意見募集を開始しました。そして、2020年9月6日までの意見募集期限が設けられています。

 今年の4月29日に、MEEは「新化学物質環境管理登記弁法」(生態環境部令第12号)を公開し、実施してから10年が経過した旧環境保護部の第7号令の代わりに2021年1月1日から発効することを予定しています。

 第12号令は、管理優先順位、登録類別と書類審査、登録後管理などを含む中国新化学管理のフレームワークを全面的に改革しました。

 新弁法に基づいて新化学物質環境管理登記の申請企業を案内するために、MEEは既存の指南を改訂し、草案を公開しました。ChemLikedは、今回指南の主な修訂内容は以下の三つに整理しました。

  • 新化学物質環境登記の定義、範囲と手順を明確

 指南では、医薬品(医薬品有効成分を含む)と農薬(農薬原料を含む)が第12号令に適用されないことを明確に規定しています。但し、その他の産業用途に変更したこれらの製品、及び上記製品の製造に使用する新化学物質に属する原材料又は中間体は、新化学物質環境登記の対象となります。そして、2003年10月15日以前に中国(大陸)の国内で生産、販売、処理、使用、又は(輸入)された化学物質については、関連化学物質の生産、輸入、加工使用企業は、「中国現有化学物質名録」への追加登録を申請することができます。

 指南は、申請者のみが登録証明書の所有者になることが許可され、代理人は登録証明書の所有者ではなくなり、申請者と共同で新化学物質環境管理登記及び登記後の義務を履行するだけであり、且つ、相応の法律責任を負うことを明確に規定しています。

 弁法により、新化学物質環境管理登記は、一般登録、簡易登録と備案の3類に分類されます。そして、指南によって一般登録と簡易登録の登録手順は、主に登録申請準備、申請材料提出、形式審査と受理、技術審査、公示と登録確定、結果公開という6つのステップがあります。備案の登録手続きは、主に登録申請準備、申請材料提出、備案申請、抜き取り検査、公開の5つのステップに分かれています。

  • 高危害化学物質判定標準を明確

 高危害化学物質の定義と判定に基づいて、指南で詳細な標準を提供しました。

  1. PBT物質;

  2. vPvB物質;

  3. 同等の環境又は健康危害性を持つ化学物質(内分泌かく乱物質(EDC)、高毒性(急性又は慢性)物質を含む)。

  • データ要件

 指南は、一般登録と簡易登録の具体的な申請データ要件を指定しました。まず、データの分類とレーベル別の提出要件を明確し、申請データを最低要件データとその他のデータに分かれます。

 一般登録の場合、最低要件データには基本データと特殊要件データが含まれています。持続性(P)又は生物蓄積性(B)のある物質については、特別要件データを提出する必要があります。また、最低要件データだけで環境リスク評価のデータ要件を満たせない一般登録に対して、暴露経路と合わせて提出する必要があります。

 簡易登録の場合、基礎データ(物理化学性質、持続性、生物蓄積性と水性環境急性毒性データ)を提出する必要があります。PB類物質に属する場合、更に水性環境慢性毒性に関する特別データを提出しなければなりません。

 また、指南では登録材料の要件、ポリマーに関する規定、実験室の資格要件、情報保護、リスク評価報告及び社会経済効果と利益の分析報告の要件を具体的に規定しています。これらの詳細を紹介するために、2020年8月26日に「新化学物質環境管理登記指南」(意見募集案)に関するウェブセミナーを開催することを予定しています。ご参加を希望する方は、こちらをクリックください。そして、ChemLikedは「新化学物質環境管理登記指南」(意見募集案)の日本語版を提供することも予定しています。

 

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