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日本 「改正安衛法に基づくラベル作成の手引き」を公布

 2014年6月25日に公布した改正労働安全衛生法の改正内容のうち、最も重要な変更点は、2016年6日以降、表示義務対象物質が従来の104物質からSDS 交付義務対象物質の範囲の640物質までラベル表示の義務が拡大されたことです。また、ラベル表示義務範囲の拡大に伴い、現行ラベルに関する規格JIS Z 7253:2012は混合物のラベルについて該当する全ての成分名称を記載しなければならないと規定しており、従来より数倍の文字数が増える化学物質もあります。その結果、限られたラベルの範囲に過剰な情報が載せられ、視認性が悪化してしまいます。それを踏まえ、改正労働安全衛生法はラベルについて成分名称の記載義務を削除することにしました。

 事業者が改正安衛法の改正内容をさらに深く理解する上で合理的なラベルを作成し、危険有害性情報が確実に労働者に伝達できるよう、化学工業協会(JCIA)が「改正安衛法に基づくラベル作成の手引き」を作成しました。本手引きは以下の内容で構成されています:

  • 第 1 章 本手引きの概要について
    • 1.1 労働安全衛生法改正(平成 26 年 6 月 25 日公布)の概要について
    • 1.2 事業者としての、労働環境におけるラベルの考え方
    • 1.3 各国でのラベルの在り方についての調査結果
  • 第2 章 合理的なラベルの具体的な作成方法についての手引き
    • 2.1 成分表示の考え方について
    • 2.2 注意書きの選択についての考え方について
    • 2.3 具体的なラベルの作成例
    • 2.4 事例 1. 混合有機溶媒
    • 2.5 事例 2. 比較的有害性の低い化学品
    • 2.6 参考)各国でのラベル例
    • 2.7 参考)経済産業省 GHS 混合物分類判定システムについて
    • 2.8 参考)「CLP に基づくラベルと包装のガイダンス」について
    • 2.9 JIS Z 7253:2012 におけるラベルに必要な情報及びその内容の決定手順

 本手引きの内容について、改正安衛法が正式施行以降、すなわち2016年6月1日以降に有効となるため、その前に本手引きに基づき作成したラベルは現行法規に違反する恐れがあります。

 一方、本手引きに収載されているラベル例はあくまでも参考であり、ほかの法規制などを考慮していないため、実際にラベルを作成する際には、消防法や、毒物劇物取締法等、その他の法規制に定められる要求事項にも準拠しなければなりません。

Usagi Ouyang
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