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欧州連合 SDS作成要件を改正、移行期間は2022年年末にて終了

 GHS国連文書改訂第6版および改訂第7版に適合するため、2020年6月18日、欧州委員会はREACH規則附属書IIの「安全データシート(SDS)の作成要件」を改正する欧州委員会規則2020/878(以下、「新SDS規制」という)を公表しました。 

 新SDS規制は2021年1月1日より施行され、2022年12月31日までの移行期間が設けられています。そして、2023年にEU全域の企業を対象とするSDS検査が実施されることになっているため、関連事業者はきるだけ早めに新SDS規制に従ってSDSを準備することをお勧めです。 

 なお、主な改正内容は以下となります。(詳細はCL-JP専門家記事をご確認ください)

1.製品標識

  • ナノフォームの物質は「ナノフォーム」(nanoform)と標記すること;

  • 工業用地で使用される危険性混合物製品、または包装されていない混合物製品の場合は、固有の処方識別子(UFI番号)があれば、UFI番号をSDSの第1.1部分に記載すること。

2.成分情報

  • 呼吸器感作性または皮膚感作性は区分1、1A、1Bに細分され、区分1Aの制限値は元の0.1%から0.01%に変更されること;

  • 特定標的臓器毒性-単回暴露は区分1、2、3に細分されること;

  • 吸入危害物質の制限値は、元の10%から1%に変更されること。

3.物理化学特性

 SDSに含まれる特性の項目および順序は、下記のように調整されています。

  • 物理的状態(Physical state);

  • 色(Colour);

  • 臭い(Odour);

  • 融点/凝固点(Melting point/freezing point);

  • 沸点、初留点及び沸騰範囲(Boiling point or initial boiling point and boiling range);

  • 可燃性・引火性(Flammability);

  • 爆発下限及び爆発上限(Lower and upper explosion limit);

  • 引火点(Flash point);

  • 自動点火温度(Auto-ignition temperature);

  • 分解温度(Decomposition temperature);

  • 水素イオン指数(pH);

  • 動粘度(Kinematic viscosity);

  • 溶解度(Solubility);

  • n-オクタノール/水分配係数(log値)(Partition coefficient n-octanol/water (log value));

  • 蒸気圧(Vapour pressure);

  • 密度及び/又は相対密度(Density and/or relative density);

  • 相対蒸気密度(Relative vapour density);

  • 粒子特性(Particle characteristics)。

4.内分泌かく乱物質に関する情報

 内分泌かく乱特性を説明するために、第11.2部分「その他の危害」及び第12.6部分「内分泌かく乱特性」を追加しました。

羅 雪純(ラ セツジュン)
ChemLinked Japan編集
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