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中国MEE 化学物質環境管理命名規範の意見募集案を公開

 2023年5月5日、中国生態環境部(MEE)は生態環境標準「化学物質環境管理命名規範(案)」(以下、「規範(案)」という)を公布し、2023年6月25日までの意見募集を開始しました。その目的は、化学物質の命名法の標準化を通じて、新規化学物質登録・既存化学物質への管理・環境リスク管理・化学物質管理を支援することに役立つことです。

 主な内容は以下となります。

 本規範(案)は、適用範囲・参考文献・用語と定義・命名要件から構成されています。化学物質はその構成成分により、単一成分物質・多成分物質・ポリマー・ UVCB物質に分類されています。そして、化学物質の種類によって、命名法が異なっています(次のフローチャートをご参照)。

化学物質の種類に応じた命名規則を把握するフローチャート

 それに加え、本規範(案)のページ12には、化学物質の種類ごとに命名法の例を示した附属書A(参考資料)が含まれています。

背景

 中国では、新規化学物質の登録は、発生源から環境への新汚染物の排出を防ぐために重要なメカニズムです。環境管理のために登録される新規化学物質は、毎年数万種類に上ります。「中国現有化学物質名録(IECSC)」は、新規化学物質および既存化学物質を特定する唯一の根拠であり、「新化学物質環境管理登記弁法」(MEE第12号令)に基づく新規化学物質の登録に向けた重要な補助文書となります。こんな中、化学物質の命名法の標準化は、物質の識別・管理にとって極めて重要です。しかし、中国における既存の技術基準には、環境管理分野の化学物質命名法に関する体系的なガイダンスが見当たりません。この問題を解決するため、中国MEEは2020年に化学物質環境管理を完全に支援する技術仕様の作成を提案しました。そして数年にわたる議論・改訂の末、規範(案)は発表され、現在意見募集中です。

 中国において、化学物質命名法に関する既存の技術基準は、以下のように3つあります。

  1. 「HG/T 2898-1997工業用化学品命名法」(環境管理分野で一般的に使用される既存化学物質のみ対象);

  2. 「HJ/T 420-2008 新化学物質の総称名に関するガイドライン」(登録申請時に名称が秘密にされる新規化学物質のみ対象);

  3. 「GB/T 23955-2009 化学品命名通則」(中国語の化学物質命名法を考慮しないで、EU REACH規則に基づく化学物質命名法の枠組みを参照)。

羅 雪純(ラ セツジュン)
ChemLinked Japan編集
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