2024年11月14日、ブラジル大統領は「ブラジルREACH」として知られる化学法(法律第15,022号)を承認しました。この法律は、ブラジル国内で使用、製造、または輸入される化学物質に関する「国家化学物質インベントリー」と「評価およびリスク管理制度」を確立し、健康や環境に対する悪影響を最小限に抑えることを目的としています。
化学物質管理の枠組みが整備されたことで、政府は法律で未決定事項の詳細を規定する実施規則を作成するために、180日以内に行動する必要があります。公式発表によれば、国家化学品安全委員会(CONASQ)が実施規則の草案の作成を担当することとなります。
適用範囲
一般的に、この法律はブラジル国内で使用、製造、または輸入されるすべての化学物質に適用されます。ただし、以下の物質は適用範囲から除外されます:
放射性物質;
開発中の化学物質;
研究専用の化学物質;
非分離中間体;
国防に使用される物質;
廃棄物;
税関監督を受ける化学物質、混合物および製品;
貯蔵中に非意図的に化学反応が生じた物質;
特定の法律で規制される製品(食品および添加物、製造技術補助剤、医薬品、農薬、化粧品、消毒剤、獣医用物質、動物飼料用物質、肥料、接種剤および修正剤、木材保存剤、環境修復剤など);
鉱石およびその濃縮物、天然物質、脂肪、精油および固定油、ガラス、フリットおよびセラミック;
麻薬、向精神薬および免疫抑制物質;
たばこおよびその派生物の成分としてのみ使用される物質;
構造用の板、箔、帯鋼、ビレット、インゴット、ビームなどの形状の金属合金; • 爆発物およびその付属品。
登録
ブラジルREACHでは、年間1トン以上製造または輸入される化学物質の製造業者および輸入業者に対し、国家登録することが求められます。この登録は、化学物質、混合物の成分として使用される化学物質、並びにポリマー(低懸念ポリマーを除く)に適用されます。
注: 不明または可変のUVCB組成を有する化学物質は、単一の化学物質として登録される必要があります。
スケジュール
ブラジルREACH公布後3年以内に、当局は化学品登録システムの開発を完了させ、一般公開する予定です。事業者は、登録システムが一般公開から3年以内に既存物質の登録を完了する必要があります。登録システムの開発が予定通り進む場合、既存化学品の登録期限は2027年11月14日から2030年11月14日までの間になります。
この登録期限後、国家化学物質インベントリー(INSQ)が作成されます。INSQに収録されてない化学物質は新規化学物質と見なされ、年間1トン以上製造または輸入される場合、市場投入前に登録する必要があります。
現地代表者
ブラジルに輸出する外国の製造業者は、EUの「唯一代理人(OR)」制度に類似した仕組みとして、地域内の排他的代表者を任命して輸入者に課された義務を遂行することが許されています。
リスク評価およびリスク管理措置
INSQにリストされている既存化学物質および新規化学物質は、人間の健康および環境に対するリスク評価のために選択され、優先順位付けされます。製造業者および輸入業者は、リスク評価をサポートするための追加情報の提供を求められる場合があります。
リスク評価の結果に基づき、化学物質に関する審議委員会は、制限、認可、禁止などのリスク管理措置を決定する場合があります。
事業者へのアドバイス
企業は、まずブラジルに輸出する化学製品が新法の対象内かどうかを評価する必要があります。その後、詳細を示す実施規則の進展に注目し、それに応じて登録戦略を立てることをお勧めします。
法律第15,022号の本文はこちらからご確認することができます。