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中国消毒製品法規制とコンプライアンスの分析

一. 中国消毒製品法規制

1.1 概要

 中国での「消毒」とは、媒介物に存在する病原体を殺滅または排除し、無害化することを指します。中国消毒製品は「獣医用消毒製品」・「水関係消毒製品(飲用水消毒剤と消毒機器)」・「その他消毒製品(環境・物体表面・空気・手・皮膚・野菜果物・食器の消毒剤と消毒機器)」に大別されています。その中に、「獣医用消毒製品」は農業部の管轄下におかれていて、「水関係消毒製品」と「その他消毒製品」は中国国家衛生と計画生育委員会(NHFPC)が管理しています。以下本文が述べる消毒製品は特別な説明がない限り、「その他消毒製品」だけを指します。

 1987年、(元)衛生部が「消毒管理弁法」を公布し、消毒製品を衛生監督管理の範囲内に入れました。企業は「衛生許可証」を取得しなければ、消毒製品の生産と販売はできません。1992年と2002年、「消毒管理弁法」は二回の改正を経て、消毒製品への監督管理方式もいくつ調整されました。2000年から、政府は全ての消毒製品が「衛生部の審査をクリアしてから市場に出る」という政策を打ち出したが、その後、政策の修正が続き、一部の製品は対象から除外されました。消毒製品・水関係衛生安全製品の行政許可を明確化にするため、2011年、(元)衛生部が「消毒製品・水関係衛生安全製品衛生行政許可管理規定」を公布しました。更に、新しい材料や、殺菌方法で生産された製品の出現に対応するため、2014年、NHFPCが「新消毒製品・新水関係衛生安全製品衛生行政許可管理規定」を公布しました。

1.2 関係行政文書

沿革

日付

内容

1987.09.18

衛生部・「消毒管理弁法」を公布

1992.8.31

衛生部・「消毒管理弁法」を改正(第一回)

2002.3.28

衛生部・「消毒管理弁法」を改正(第二回)

2016.1.19

衛計委(NHFPC)・「消毒管理弁法」を改正

関連文書

2002.6.7

衛生部・「消毒製品分類目録」を公布

2003.11.14

衛生行政機関による使い捨て型医療用品の届出(備案)制度と使い捨て型医療用品生産企業の衛生許可制度を撤廃

2005.5.30

衛生部・「消毒製品への監督管理及び許可範囲の調整についての通知」を公布

2006.1.25

衛生部・「『消毒製品ラベル説明書管理規範』の実施に関する問題についての通知」

2009.11.16

衛生部・「『消毒製品生産企業衛生許可規定』の配布についての通知」

2013.7.23

衛計委(NHFPC)・「一部の消毒製品及び水関係製品の行政審査を撤廃または地方に移管することについての公告」

2013.12.20

衛計委(NHFPC)・「『新たに出現している新材料・新プロセス/技術及び新殺菌原理の判定根拠』についての通告」

2014.2.11

衛計委(NHFPC)・「新消毒製品・新水関係衛生安全製品衛生行政許可管理規定」

2014.6.27

衛計委(NHFPC)・「消毒製品衛生安全評価規定」を公布

1.3 監督管理部門

政府機関

責務

中華人民共和国国家衛生と計画生育委員会(通称「衛計委」または「NHFPC」)

- 関係規定・政策・標準・技術規範を制定;

- 新消毒製品の登録を評価。

省(日本の「県」に相当)レベルの衛生行政部門

- 既存製品の評価と承認;

- 市場の監督管理。

1.4 法規制文書及び関係規範性文書

法規

所管政府機関

内容

「消毒管理弁法」衛計委(NHFPC)

-消毒製品管理基本弁法

-消毒衛生要求

-消毒製品生産/経営要求

-消毒機関への監督管理と罰則

「伝染病防治法」衛計委(NHFPC)

-伝染病予防と治療に用いる消毒製品が満足すべき国家標準と衛生規範を示し、関係の監督管理部門についても規定した

新材料・新プロセス/技術及び新殺菌原理を利用して、生産する消毒剤と消毒機器の判定根拠

衛計委(NHFPC)

-新製品であるかどうかの判定基準を示す

消毒製品衛生安全評価規定衛計委(NHFPC)

-責任主体に、生産した消毒剤・消毒機器及び生物/化学指示剤などの消毒製品に対する衛生品質と安全への評価を実施するよう要求

新消毒製品と新水関係製品衛生行政許可管理規定衛計委(NHFPC)新消毒製品と新水関係製品の衛生行政許可の申請・受理・審査・決定まど各ステップの詳細(内容・期限・承認するかどうかの基準)を決めた上、付録で申請プロセス・提出すべき資料及び具体的な要求を紹介した

 

. コンプライアンス対応の戦略

2.1 責任主体

製品の責任主体とは、法律に基づき、製品の欠陥による人身傷害或いは財産の損失の責任を負う法人/個人を指します。

  • 国産製品の責任主体は生産企業;

  • 委託生産する場合の責任主体は委託側;

  • 輸入製品の責任主体は国内に設立された法人。

2.2 製品コンプライアンスの分析

中国では、既存消毒製品と新消毒製品への規制が大分違うため、中国市場に進出する前、まず既存製品と新製品とどちらに当てはまれるかを確認する必要があります。

 

既存消毒製品

新消毒製品

コンプライアンスの仕方安全評価レポート省級衛生行政部門に申請
受理機関責任主体の地域を管理する省級衛生行政部門衛計委(NHFPC)
評価機関責任主体の地域を管理する省級衛生行政部門中国疾病予防控制中心( China CDC)

2.2.1 既存消毒製品

1987年からの一連の改革を経て、安全評価の実施は既に当局から企業に移されました。既存消毒製品を生産する企業は安全評価をしなければいけません。既存消毒製品は使用分野により、三つのリスク種類に分けられています。リスク種類ごとに、中国では独自のコンプライアンスが要求されています。

分類

第一類(高リスク)

第二類(中リスク)

第三類(低リスク)

製品

医療機器に使われる高レベルの消毒剤と消毒機器・殺菌剤と殺菌機器・皮膚粘膜消毒剤・生物指示物と殺菌効果化学指示物第一類製品以外の消毒剤・消毒機器・化学指示物及び殺菌標識を有する殺菌物品の包装物・抗(抑)菌製剤リスクが比較的低くて、通常の管理でも安全と効果を保証できる抗(抑)菌製剤以外の衛生用品

コンプライアンス要求

安全評価レポートと省レベルの届出(備案)

ラベルの基準を満たす

有効期間

4年間

長期有効

長期有効

注意:一つの製品が上述した二つ以上の分類に適合する場合、リスト高い方の分類で管理されることになります。

既存消毒製品-提出すべき資料

第一類又は第二類製品が市場に出る前に、責任企業は安全安全性評価を実施する必要があります。この評価は、責任企業自身、または第三者に委託することにより行われることになります。

a.企業及び製品の基本情報(右側の図をご参考)

b.評価資料

  • ラベル(札)

  • 説明書

  • 検査報告書

  • 製品成分

  • 企業標準(国内製品)或いは品質標準(輸入製品)

  • 国内製品生産企業の衛生許可証

  • 輸入製品生産国(地域)の生産・販売許可証明書類と税関申告書

  • 消毒機器部品・構造図

既存消毒製品-試験データ

項目

内容

物理化学性質試験

- 外観

-有効成分及びその含有量

- PH値

-安定性試験

-連続安定性試験

-金属腐食性

-重金属含有量

微生物試験

-殺菌効果試験

-模擬現場或いは現場試験

毒物学試験

-急性経口毒性

-鼠赤血球小核試験

-その他の追加する必要がある試験

プロセスと期間

Fig 1- 既存消毒製品届出プロセス

注意 期間:六か~八か月間(試験準備から届出完了まで)

2.2.2 新規消毒製品

新規消毒製品への管理を明確にするため、2013年12月26日、衛計委(NHFPC)が「新材料・新プロセス/技術及び新殺菌原理を利用して、生産する消毒剤と消毒機器の判定根拠」を制定しました。

新材料とは、製品の原料が消毒剤原料有効成分リストに収載されていない且つ「中華人民共和国薬典」の消毒防腐類にも収載されていない物を指します。新プロセス/技術とは、生産パラメータ或いは生産プロセスの変更により、消毒剤と消毒機器の有効性・安全性・環境適応性などが既存の製品と同じ又はより優れてることを指します。新殺菌原理とは、消毒因子及び関係消毒機器リスト・指示物リストに収録されていない、物理・化学・生物消毒因子或いは相互作用による殺菌原理及びその指示物のことを指します。

規則の中には、新規消毒製品は有効性、安全性、環境適応性において、既存の製品と同じ又はより優れていなければ承認されない可能性も示唆しています。

新規消毒資料要件

関係法規制により、新材料/新技術/新殺菌原理を利用し、生産する消毒剤と消毒機器及び輸入する新規消毒製品は衛計委(NHFPC)に申告を提出し、製品安全と機能評価をクリアし、承認・公示された後から初めて正式的な生産・販売が許されます。それに違反する場合、リコール・違法所得の没収及び罰金が課せられることになります。

新規消毒製品申告する際の必要とする資料の一覧:

  • 新規消毒製品衛生行政許可申請表

  • 省級衛生監督管理機構が発行した生産能力の審査意見

  • 研究開発報告資料

    1. 国内外の研究進捗報告;

    2. 製品研究開発の技術サポートと研究開発プロセス;

    3. 製品成分情報及び原材料ごとのCAS番号;

    4. 製品有効成分の殺菌仕組;

    5. 製品製造のプロセスフロー;

    6. 製品主要殺菌有効成分の濃度及び選択する過程での研究報告;

    7. 複数の有効成分が有する消毒剤の場合、各有効成分の殺菌仕組と複数有効成分が共同で効果を発揮する際の仕組についての研究報告;

    8. 製品使用分野に関係する微生物を殺滅する効果についての研究報告;

    9. 製品消毒・殺菌効果の影響因子の研究開発データ、例えば:湿度・相対湿度・有機物が消毒・殺菌効果への影響。(製品の説明書に詳細を記述する必要もある);

    10. 製品が金属材料への腐食性の研究開発データ;

    11. 製品使用分野関係の毒物学安全性研究開発データ;

    12. 製品が環境内に分解することに関する研究開発データ;

    13. 製品安定性及び連続使用する際の有効期間に関する研究開発データ。

  • 品質標準

  • 検測方法

  • 申告委託書(申告を第三者に委託する際)

  • 製品生産国(または地域)の現地生産・販売許可を証明する書類(輸入消毒製品申告する際)

  • 中国国内に設立された責任主体としての法人への委任状(輸入消毒製品申告する際)

  • その他の審査に役立つ資料

新規消毒製品申告プロセス

省級生産能力審査——製品検測——申告資料の作成——オンライン申告——予備審査を通過——

現場提出——専門家による技術審査——行政許可——承認と公示

期間:八か~十二か月間(製品ごとに多少違いがありますので、あくまでも参考です)

 

三. サービス案内

3.1 外国企業が直面する難題

 EUで「殺生物性製品」と定義された製品の殆どは、中国で「衛生消毒製品」に当たります。衛生消毒製品は種類ごとに関係の政府機関が管理しています。また、同じ種類でも、中央政府機関が管理する物と地方(省級)政府機関が管理する物に分けられています。それと同時に、中国の消毒製品関係法規制は改革している最中でもあり、今後、より多くの管理監督責任は中央から地方へ移される見込みです。

 欧米の関係法規制に親しむ多くの外資系企業にとって、中国の衛生消毒法規制の体制に複雑且つ整合されていない印象が受けるでしょう。そのため、企業はコンプライアンスを対応する際にもよく戸惑いを感じます。

企業側の問題

  • 中国の法規制への理解

  • 適切な実験室を選択

  • 中国当局とのコミュニケーション

資料(書類)の問題

  • ラベルと説明書に書かれている項目は不備があり、関係試験結果が足りない;

  • 製品の中国語名は要求に満たしてない;

  • 製品成分情報が不足;

  • 資料の原本・副本或いは翻訳版との内容が一致していない。

3.2 サービス案内

上述した問題に対して、弊社(REACH24H社)は中国消毒製品法規制分野で蓄積したきた豊富な経験を活かし、企業向けに以下のサービスを提供しております。

  • 消毒製品申告の全プロセスのコンサルテーションサービス;

  • 消毒製品申告の全プロセスの代理サービス;

  • 消毒製品申告及び第一類・第二類製品届出(備案)のワンストップサービス;

  • コンプライアンス分析報告;

  • 法規制の翻訳;

  • 消毒製品試験方案の作成、実験室の選出、試験結果の確認;

  • 当局とのコミュニケーション;

  • 消毒製品法規制の教育。

 

 

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