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中国 今年2回目の「輸出税還付率」上げ、化学工業への影響は?

 米中貿易戦争で打撃を受けた輸出企業をサポートするため、今月8日に北京で開かれた国務院常務会議で、当局は2018年11月1日から「輸出時の税還付率」を上げることを決めました。(「輸出時の税還付」とは、中国から海外に輸出する際に、仕入増値税を当局から還付することを指します。)

現行の輸出税還付率 11月1日以降の輸出税還付率

5%

6%(一部10%)

6% 6%
9% 10%(一部13%)
10% 10%
13% 13%(一部16%)

15%

16%

16%

16%

 11月1日からの調整における製品ごとの還付率を発表していませんが、全体ではかなりの額になる見込みです。実は、「輸出税還付率」を上げるのは、今年で2回目となります。今年9月5日、財政部と税務署は財税〔2018〕93号通知で、9月15日から397種の製品の「輸出税還付率」を上げることを発表しました。その内、90種近くの化学製品が含まれています。例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)の還付率は16%、エポキシ樹脂は9%まで引き上げられました。

 還付率を上げるだけではなく、当局は還付申請の手続きを簡素化する一連の政策も打ち出しました。税務総局が10月15日に公布した「2018年第48号公告」では、企業の分類制度を調整・対応時間の短縮・作業のOnline化など、税還付の効率アップに乗り出しました。

 中国経済の先行きが不透明な現在こそ、当局最新の政策を活用し、企業の利益を確保する時ではないでしょうか。

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