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中国 環境モニタリング担当者への「終身問責」制度を導入

 PM2.5をはじめとする環境汚染は今でも中国当局の頭を悩ませています。そんな中、環境モニタリングの検測結果は重要な基礎データとして、その信憑性が益々重視されてきました。

 トップダウン型の中国政治構造の中、各地方環境保護部門が中央の環境保護部(現・生態環境部)から指示を受け、主管エリア内の環境状況の改善に責任を持っています。改善と言っても、直接示せるのはやはり環境モニタリングの結果です。また、企業側も第三者機関による環境モニタリングの結果で、当局の監督管理に対応する必要があります。そんななかで、データの改ざんが一つの手段として現れてきました。

 2017年6月16日、西安市で環境モニタリングシステムへの妨害により、7人の元・環境保護部(MEP)幹部及び作業員が「情報システムへの破壊」という罪で有罪判決を受けました(中国語記事)。この事件は氷山の一角ではないかとう見方もある中、当局も環境モニタリングの信憑性に対する本格的な行動を取り始めました。

 今年5月31日、生態環境部(MEE)と国家市場監督管理総局(SAMR)が共同で、「生態環境監測機構への監督管理を強化する通知(環監測[2018]45号)」を配布し、生態環境モニタリング機関の認定制度の見直し・監督管理制度の修正・責任追及制度の強化・監督管理手段の多様化・罰則の厳格化等を通して、環境モニタリングの結果の信憑性を高める方針を発表しました。

 まず、「生態環境モニタリング機関の認定制度の見直し」について、2015年8月1日から実施している「検験検測機構資格認定管理弁法」を基礎に、現在意見募集をしている「検験検測機構資格認定能力評価 環境監測機構要求」を補充として、環境モニタリングの特徴に適応する認定制度を作る予定です。一方、「監督管理制度の修正」の方については、MEEは「環境監測質量管理技術導測(HJ 630-2011)」への改正を実施し、環境モニタリング機関の品質保証制度の健全化を実現していきます。

 「責任追及制度の強化」では、サンプリング担当・分析担当・審査担当・最終確認者などの関係者はデータの信憑性に一生責任を負うことになります。これは相当大きなプレッシャーとなり、データの改ざんに歯止めをかかる効果が期待されています。

杜 業翔
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