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上海 「危険化学品追跡コード」の運用を全域に展開する

 本記事を執筆した時点でまだ正式に公開されていませんが、近日、上海市应急管理局と上海市交通委员会は「危険化学品の出入庫および危険物の積み卸しの情報化管理を推進するための通知」を作成しました。

 この通知は、国および市の関連法規に基づき、危険化学品の管理に“1社1品1コード”制度を導入することを目的としています。

主な内容:

  • 上海市内の危険化学品企業は、「危险化学品目録(2015版)」に記載されている危険化学品について、上海市の危险化学品追跡コードシステムを使用し、QRコードの割り当てと読み取りを行います。

  • 上海市内の実物を持つ危険化学品許可企業は、出入庫の動的管理を実現し、規則正しい在庫および出入庫情報を緊急管理部門に報告します。

具体的要求:

  • 2024年より、「危険化学品追跡コード」を、個々の品種とロットごとに独自のコードを割り当てます。

  • 危険化学品目録(2015版)実施指南-付録『危険化学品分類情報表』」に記載されている品名の危険化学品は本制度の対象となります。一方、付録に記載されていませんが、いわゆる“確定原則”に適合している危険化学品はコードを割り当て義務がありません。

  • 上海港からの輸入品を含む、市内で生産・塡充・小分け・ラベル替えされる危険化学品は追跡コードを割り当てる必要があります。一方、輸入された化学品は上海で通関した後、直接に上海市域外に輸送される場合、あるいは直接に上海市内の企業に輸送され、原料として使用される危険化学品は追跡コードを割り当てる必要がありません。

  • コードを割り当てる企業は、「上海危険化学品出入庫情報管理および追跡コード構築に関するガイドライン」に従って危険化学品追跡コードを生成し、関連情報をリアルタイムで当局のシステムにアップロードします。

  • 企業は、危険化学品の流通各段階の最小包装に追跡コードを印刷または貼付ける必要があります。

  • 包装容量が100g /100mL以下の危険化学品は免除されています。それ以外、パイプ輸送や、石油タンカー、ばら積み化学品輸送船およびLNGタンカーで輸送された危険化学品も本制度の対象外となります。

  • 輸入された対象危険化学品に関して、海外で事前に追跡コードの作成と添付は推奨されています。それを実現した輸入者は、上海税関の「危険化学品通関検査ホワイトリスト」への登録が推薦され、検査の緩和政策を受ける可能性があります。

対象化学品:

今回の制度の対象となる危険化学品は以下3種類に分けることができます。

  • A類. 「危険化学品目録(2015版)」に収録された危険化学品;

  • B類. 「危険化学品目録(2015版)」に収録されていませんが、「危険化学品目録(2015版)実施指南-付録『危険化学品分類情報表』」に第2,828項目の例として記載されていた88種の危険化学品;

  • C類.  “70%原則”に適合した混合物、および第2,828項目の判定基準に満たした危険化学品(第2,828項目化学品と見なされる)。

対象外:A、B、C類以外の“確定原則”に適合している危険化学品

解説:

 実は、追跡コードを割り当てる義務を負うのは上述したA類とB類の危険化学品だけで、C類は任意ということです。一方、A、B、C類の危険化学品を輸入する場合、海外で事前に追跡コードの作成と添付することができれば、「危険化学品通関検査ホワイトリスト」制度の免除を受けることが可能となります。

実施期限:

危険化学品企業は、2024年12月31日までに追跡コードの割り当ておよび出入庫情報管理システムの構築を完了することが求められています。

政府のサポート:

小規模な危険化学品企業には、追跡コードの申請と生成のための無料プラットフォームが提供されます。

 今回の制度は、危険化学品の安全な管理と追跡を強化し、関連情報の透明性を高めることを目的としています。これにより、緊急事態に迅速かつ効果的に対応できるようになることが期待されています。

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杜業翔(ト ギョウショウ)
法規制コンサルタント/Chemlinked Japan編集
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