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上海海事局 長江における1件の危険化学品輸送禁止事例を公表

 2023年2月21日、上海海事局(MSA)の公式発表により、1件の危険化学品輸送禁止事例が公開されました。以下はその詳細となります。

 2023年2月10日、ある上海の貨物輸送会社が「クロロ酢酸」を品名として申告した危険貨物は、当局の人工補助システムにより「長江輸送禁止貨物である可能性がある」と自動的に判断されました。それを受け、当局の担当者は対象貨物に対する人工検査を実施、その結果、貨物の主成分名とCAS番号は「内陸河川禁輸危険化学品目録(2019年版)」の189欄と同一であり、且つ水生環境に対する危険性(急性)は第1類も有することがわかりました。よって、対象貨物は上海外高橋港での積み下ろしができないことが判明されました。

 浦東海事局政府事務センターは直ちに貨物の出港申請を拒否した上、輸送会社に連絡し、長江の禁輸の要求と判断基準を再度説明し、会社に報告の責任を果たすよう要求しました。

 一方、「内陸河川禁輸危険化学品目録(2019年版)」を実際に確認すれば分かるように、「クロロ酢酸」は連番189ではなく、187です。ここは当局の記入ミスと考えられています。

 2022年2月8日、上海海事局は「外高橋水域に出入りする船積み混合物危険貨物の組成成分の申告要件を明確するための説明」を発表し、一部今まで争点となる要件を明確にしました。また、2022年5月11日、上海海事局は「外高橋水域に出入りする船積み混合物危険貨物の組成成分の申告要件をさらに明確するための説明」を発表し、2月の説明を補足しました。

 

杜業翔(ト ギョウショウ)
法規制コンサルタント/Chemlinked Japan編集
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