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インド 国際化学物質安全性カードの採用について、ILOと合意


 2022年7月27日、インド化学肥料省(Ministry of Chemicals and Fertilisers, MoC&F)の下部組織である化学と石油化学局(DCPC)は、国際労働機関(ILO)と、国際化学物質安全カード(ICSC)採用のための「職場における化学物質の安全使用」セミナーを開き、覚書(MOU)が締結されました。

 セミナーでは、インド化学肥料省の大臣であるMansukh Mandaviya博士が議長を務めました。彼は、「産業と労働者の安全はインドの最優先事項であり、これは国際基準、強固な手順、トレーニングセッション、技術を遵守することによって確保することができる」と述べました。

 ICSCは、世界保健機関(WHO)とILOが、欧州委員会の協力のもとで開発したものです。化学物質に関する安全衛生に不可欠な情報を産業界に提供し、職場における化学物質の安全使用を促進するために容易に利用することができます。「インドでこれを採用すれば、労働災害を減らすだけでなく、世界のベストプラクティスとの整合性をさらに確保することができます」と、Mansukh Mandaviya博士は付け加えました。

 化学肥料と新・再生可能エネルギーの担当国務大臣 Shri Bhagwanth Khuba氏は、「化学分野でのインドの世界的地位は高まっており、生産面だけでなく安全面でも検討する必要があります。」と強調した上、「このMOUによって、インドでの安全規制の実施に向けた取り組みがさらに強化されることを期待しています」と述べました。

 ICSCのデータベースには、現在までに1784枚のカードが14ヶ国語で収録されています。カードは最新の科学知見を取り入れ、定期的に更新されています。

 カードに記載されている情報は、UN GHSに沿ったものです。インドはまだUN GHSを採用しておらず、GHSの導入時期も明らかではありませんが、Chemicals (Management and Safety) Rules 20XX (CMSR, 別名 "India REACH") のドラフトでは、物質の危険有害性の分類と表示はUN GHS Rev.8 に準拠しなければならないと明記しています。

杜業翔(ト ギョウショウ)
法規制コンサルタント/Chemlinked Japan編集
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