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中国RoHS 2 電器電子製品有害物質制限使用管理弁法

 中国は、破棄電子製品によって引き起こされる環境汚染を規制及び削減し、グリーン製品の生産と販売を促進するため、2006年に「電子情報製品汚染規制管理弁法」というRoHS規制を初めて導入しました。そして、弁法の改訂版「電器電子製品有害物質制限使用管理弁法」は2016年1月6日に公布されました。

  • 制限有害物質は以下となります。

  • 鉛(Ld)及びその化合物

  • 水銀(Hg)及びその化合物

  • カドミウム(Cd)及びその化合物

  • 六価クロム(chromium VI)及びその化合物

  • ポリ臭化ビフェニル(PBB)

  • ポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)

  • 指定されるその他の有害物質(未確定)

内容

  1. 歴史

  2. 管理当局

  3. 規制範囲

  4. 業界義務

  5. 適合性評価システム

  6. 関連新聞

歴史

  • 2006年2月18日、「電子情報製品汚染規制管理弁法」(MIIT令第39号)が公布され、2007年5月1日から発効された

  • 2010年7月16日、「電子電気製品汚染規制管理弁法」(2010意見募集案)が公布された

  • 2011年8月25日、「国家統一推進の電子情報製品汚染規制自主性認証の実施規則」が公布され、2011年11月1日から発効された。そして、2011年8月25日に「第一組国家統一推進の電子情報製品汚染規制自主性認証の名録」も公布された

  • 2012年6月4日、「電子電気製品汚染規制管理弁法」(2012意見募集案)が公布された

  • 2015年5月18日、「電子電気製品汚染規制管理弁法」(2015意見募集案)が公布された

  • 2016年5月16日、「電子電気製品汚染規制管理弁法の実施に関するQ&A」が公布された

  • 2017年6月29日、中国MIITは「電器電子製品有害物質制限使用コンプライアンス管理名録(第一組)(草案)」と「コンプライアンス管理名録制限物質応用免除名録(草案)」を公布した

  • 2017年12月、中国MIITはWTOにRoHS2の関連書類「コンプライアンス管理(通知番号:G/TBT/N/CHN/1219」と「免除名録:NO.G/TBT/N/CHN/1220」を通告した

  • 2018年3月15日、中国MIITは「電器電子製品有害物質制限使用コンプライアンス管理名録(第一組)」と「コンプライアンス管理名録制限物質応用免除名録」を公布した

  • 2019年3月12日、「電器電子製品有害物質制限使用コンプライアンス管理名録」(第一組)と「コンプライアンス管理名録制限物質応用免除名録」を発効した

  • 2019年5月16日、SAMRとMIITは「電器電子製品有害物質制限使用合格評定制度実施プロセス」を公布した。2019年11月1日から、製造及び輸入された名録に記載されている製品は実施プロセスの要件を満たして、合格評定を完了する必要がある

管理当局

 中国RoHSの主要な管理機関は、産業情報化部(MIIT)となります。RoHS規格と管理実行に関連するその他の管理機関には、国家開発改革委員会(NDRC)、科学技術部(MOST)、財政部(MOF)、生態環境部(MEE)、商務部(MOC)、海関総署(GAC)、と品質監督検査検疫総局(AQSIQ)があります。

 現在、MIITとMOFと協力して、電器電子製品有害物質に関する社会認証メカニズムを構築しています。

規制範囲

規制対象製品の種類は、電子情報製品(EIP)から中国で製造又は輸入されたすべての電器及び電子製品(EEP)に拡大されています。EEPとは、動作電圧が1500 V DC又は1000 V AC未満の設備とパーツを指し、MIITの電子情報製品分類ノートに記載されているすべてのEIPを含まれます。

 免除リスト

  • 発電、送電と配電設備

  • 軍用のEEP

  • 特殊又は極端な環境で使用するEEP

  • 輸出専用のEEP(輸出専用のEEPは、輸出国/地域の有害物質の使用制限に関する規定に準拠することがある)

  • 一時輸入のEEP、又は非販売用EEP

  • 科学研究、R&D、又は試験用原型

  • 販売されない展示用製品、サンプル

 2016年5月16日にMIITが公開したFAQにより、中国RoHSの規制範囲内にある製品を記載する名録を発行しません。

業界義務

 中国は2段階戦略を採用して、EEP内の有害物質を代替又は最小化するという目標を達成する予定です。

 第一段階:製造業者/供給業者の自己声明

 企業はGB / T 26125-2011に従ってEEP内の有害物質の量を分析する必要があります。分析の結果に基づいて、企業はGB / T 26572-2011及びSJ/T 11364-2014に準拠して製品中の有害物質の名前と量、環境保護使用期限(EFUP)と包装材料のリサイクルなどの情報を製品にマーク又はラベル付けする必要があります。これらの要件は、2016年7月1日から義務付けられることになります。

                                

                              図1:SJ / T 11364-2014のコンプライアンスマーク

 (「e」マーク(左)はEEPに有害物質が含まれておらず、環境に優しいことを示します。製品をリサイクルすることができます。気軽に廃棄しないでください。EFUPマーク(右)はEEPに有害物質が含まれることを示します。製品の安全使用は保証されておらず、製品は10年以内にリサイクルする必要があります(年数はメーカーが決定したEFUPに従って変更できます)。

 

 第二段階:EEP資格管理制度(未確定)

 「電器電子製品有害物質制限使用コンプライアンス管理名録」(以下、名録と略称)に記載されているすべての製品は、GB / T 26572-2011に指定された有害物質の濃度制限に適用し、中国認証認可監督管理委員会(CNCA)によって制定された資格及び認証の規定を合格する必要があります。指定されたコンプライアンスを切った後、名録に記載されているEPPは関連の管理要件を満たせない場合、製造又は供給を継続することが禁止されることになります。

 名録は当局によって発行され、必要に応じて更新されます。

 EEP資格管理制度が構築される以前に、2011年からEIPの自主認証プログラムが確立されていました。

 その他、EEPの設計者と製造業者は、険性がなく、容易に分解でき、リサイクルし易い包装材料を使用することに努力することがあります。EPP包装材料のラベルに関する管理は中国RoHS 2の規制範囲に属しません。

 表1:中国RoHS基準

対象標準備考
特定の制限有害物質GB/T 26572-2011「電子電気制限物質の上限値要件」
  • 2011年8月11日から発効した

  • SJ/T 11363-2006の代替案

  • 強制規格

ラベルSJ/T 11364-2014「電子電気製品有害物質規制使用ラベル要件」
  • 2016年7月1日から発効した。MIIT2014年第88号通知

  • 強制規格

試験中GB/T 26125-2011電子電気製品6種類制限物質(鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、ポリ臭化ビフェニル、ポリ臭化ジフェニルエーテル)の測定
  • 2014年2月1日から発効した

  • 強制規格

GB/T 29783-2013電子電気製品中の六価クロムの測定 原子蛍光法
  • 2014年2月1日から発効した。

GB/T 29784.1-2013電子電気製品中の多環芳香族炭化水素の測定
1:高速液体クロマトグラフィー
2:質量分析検出を使用したガスクロマトグラフ法
3:液体クロマトグラフィー質量分析
4:ガスクロマトグラフィー
  • 2014年2月1日から発効した。

GB/T 29785-2013電子電気製品中のヘキサブロモシクロドデカンの測定 ガスクロマトグラフィー質量分析
  • 2014年2月1日から発効した。

GB/T 29786-2013電子電気製品中のフタル酸エステルの測定-ガスクロマトグラフィー質量分析
  • 2014年2月1日から発効した。

適合性評価システム

 2019年5月16日、中国SAMRとMIITは、「電器電子製品有害物質制限使用コンプライアンス管理名録」(第一組)に対する管理を強化するため、「電器電子製品有害物質制限使用合格評定制度実施プロセス」(以下、実施プロセスと略称)を公布しました。そして、2016年に公布された「電器電子製品有害物質制限使用管理弁法」に基づいて、一連の関連法規制が制定されました。019年11月1日以降に製造及び輸入された名録に規制されいる製品は、関連のコンプライアンス認定の要件を満たす必要があります。

 実施プロセスでは、コンプライアンス認定について2のプロセスが認められています。企業の自己コンプライアンス声明及び関連材料を提出するという自己声明認定、と第三者の認証機構の認定結果を提出するという自願性認定2の認定プロセスがあります。企業の自己声明認定について、通知センターで認定作業に関するガイドラインが公布されました。自願性認定にたいして、承認された認証機構に委託することが重要です。現在、中国で公認されたRoHS 2認証機構は14社があります。

 自願性認定

 認定モードが違っても、認定プロセスはすべての設備完成品、部品及び材料に適用します。自願性認定を受けた製品の合格マークは、図2に示すとおりです。                                                   

 表2、認定モード                   

認証モードサンプル試験初期工場検査認定後監督適用範囲
サンプル提出抜き取り監査コンプライアンス声明
1√(試験型)  部品とコンポーネント、製品、材料製品
2  部品とコンポーネント製品
3√(最適化試験)  完成品類と分品類(複雑製品)
4 規制範囲内のすべての製品

 特定の制限物質濃度制限及び電器電子製品の解体要件は、GB / T 26572に準拠する必要があります。そして、関連試験はGB / T 26125-2011に従って実行しなければなりません。供給業者は認定モードの自願性認定はGB / T 27050.1「合格評定 供給のコンプライアンス声明 第一部分:通用要求」に準拠する必要があります。その他は、「電器電子製品有害物質制限使用自己声明認定実施規則」を参考ください。

 自己声明認定

 自己声明認定は実施プロセスで認定されたコンプライアンスの認証方法となります。自己声明認定を受けた製品の合格マークは、図3に示すとおりで

 自己声明認定の書類には、有害物質の制限要件に合格する認証、関連の技術書類が含まれています。また、以下の書類も必要があります。                   

  • 業者の名称と連絡先情報                   

  • 電器電子製品の名称、仕様とモデル、技術支援書類の番号及び種類の類型

  • 保証声明及び関連の声明材料内容の真実性、完全性と一致性

  • 追加情報、授権者の署名、会社の印鑑など

 2019年10月18日、中国工業情報化部(MIIT)は、RoHS 2の公共サービスプラットフォーム(以下、プラットフォームと略称)の試運転を開始しました。関連業者はプラットフォームを通じて、技術サポート文書として合格報告書を提出することができます。合格報告書はには、製品は有害物質の制限要件を満たせたことを証明することには、次の2の方法があります。

  • 業者は、関連の規格に従って検査検疫機関に委託して、製品試験報告書を作成します。

  • 業者は、すべてのコンポーネント、部品、及び原材料の有害物質の測定に基づいて、合格報告書を作成します。

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