韓国「化評法」――化学物質登録及び評価等に関する法律

 韓国規制:
法律番号:11789

化学物質登録及び評価等に関する法律――K-REACH

可決会議 韓国国会
正式発表 韓国政府官報 P48-68
監督当局
環境部 (MoE)
沿革
可決日 2013年4月30日
発表日 2013年5月22日
発効日 2015年1月1日
改正の経緯
2011年2月25日 环境部初稿(G/TBT/N/KOR/305)
2012年9月28日 韓国環境部が国会に提出する最終稿
2013年4月8日 韓国国会が提出したバージョン
2013年4月24日 環境労働委員会の審議で可決されたバージョン
2013年4月30日 韓国国会で可決された最終版
他の規制
2008年3月21日 有害化学物質管理法 (TCCA)
状態:未実施

韓国環境部

 韓国の「化学物質登録及び評価等に関する法律」(K-REACHまたは「化評法」)は2013 年4 月30 日、韓国国会で可決されました。EU REACH 規制の理念を多く取り入れており、アジア地域において化学物質管理に関する規制の中で最もEU REACH に類似する規制と言われています。化評法 は、登録,有害性評価及びリスク評価等を通じて新規化学物質,既存化学物質及び川下製品を管理することを目的とする法律です。

 本ページは、非韓国系企業、特に非韓国系中小企業が適切な措置を講じ、化評法 に確実に対応できるよう、化評法 に基づく義務を伝えることを目的にまとめました。

 

目次

  1. 化評法 とは
  2. 化評法 に基づく管理の枠組み
  3. 沿革
  4. 化評法 の主要内容
  5. 誰が化評法 の影響を受けるのですか?
  6. 化評法 対応

  7. 総括&コメント
  8. ニュースソース
  9. 専門家記事&電子書籍

 

 化評法 に基づく管理の枠組み

 化評法 に基づく管理の枠組みは図1 のようになります。

 図1 を見ると、化学物質と製品(混合物及び物品)では、それぞれに対する管理が異なることがわかります。K-REACH は2015 年1 月1 日より正式施行されます。

 正式施行後、新規化学物質または輸入量が年間1トン以上の既存化学物質を製造・輸入する場合、報告及び登録が義務付けられ、有害化学物質を含有する製品についても申告などの制度が設けられます。

図1 - 化評法 の枠組

  1. 新規化学物質または年間取扱量が1 トン以上の既存化学物質については、化学物質の前年度の製造・輸入量及び用途に関する情報を年度報告として提出する必要があります(初回は2015年の結果を2016年に報告します)。
  2. 暴露量,有害性情報及び取扱量に基づいて韓国既存化学物質リスト(KECL)から選定される登録対象既存化学物質(PECs)は、年間製造・輸入量が1 トン以上の場合、登録を行わなければなりません。健康及び環境に対して深刻な被害を与える化学物質については、製造・輸入量が1 トン/年未満であっても登録が求められます。なお、新規化学物質は取扱量に関係なく、すべて登録する必要があります。
  3. 化評法 下では、環境部(国立環境科学院:NIER)は化学物質について有害性評価及び危害性評価を行い、有害性評価結果に基づいて有毒物質を指定して公表します。更に、有害性評価及び危害性評価の結果によって、許可物質,制限物質または禁止物質に指定します。
  4. 製品中に含有される有害化学物質が1 トン/ 年以上の場合、事前申告が必要とされます。
  5. 環境部は製品の危害性評価結果に基づき、製品に関する安全及び表示基準を定めます。

 誰が化評法の影響を受けるのですか?

 化学物質及び登録対象既存化学物質の製造者または輸入者は、実際に製造または輸入する前に環境部に登録を行わなければなりません。化評法は韓国法ですから国外製造・生産者には規制が及びませんので、韓国国内の輸入者または韓国国内の代理人が化評法対応を行うことになります。

 製造・輸入者または代理人は下記義務を果たさなければなりません:

  • 年度報告
  • 登録
  • サプライチェーンにおける情報伝達
  • 有害化学物質を含有する製品の申告
  • その他

 輸入者は国外のサプライヤーに対して規制に対応するための関連情報を提供するよう要求することができます。

 K-REACHでは、唯一の代理人(OR)というコンセプトが導入されています。韓国国外の企業は韓国国内の唯一の代理人を通じて登録を行なわなければなりません。「日中韓の化学物質管理政策に関するセミナー」(2012年10月31日、杭州)で入手した情報によりますと、韓国国内における正式登録で成立した企業(国外投資で設立された企業も含む)は、ORとしてK-REACHに基づく登録を実施する資格を有し、さらに、資本金や人員配置などの制限が設けられません。

 化評法 では“代理人”というコンセプトが導入されています。韓国国外の企業が登録対象既存化学物質を登録したい場合は、韓国国内の代理人を選任して行なわなければなりません。代理人の資格要件については、化評法施行規則案第59条第1項に次のように記載されています。

 施行規則第59条 (国外製造・生産者が選任した者の要件等) ①国外製造・生産者が法第38条第1項により選任できる者は、次の各号の要件を備えた者でなければならない。

  1. 化学物質情報管理に対する知識
  2. 化学物質管理に関する3年以上の業務実績

 細かな要件については今後明確にされる可能性があります。

 化評法では、化学物質の川下使用者/ 販売者にも義務条項があります。韓国国内の化学物質販売者は製造者・輸入者または唯一の代理人と同様に、年度報告を提出する必要があります。しかし、川下使用者は年度報告の義務から免除されます。サプライチェーンにおける情報伝達については、川下使用者/ 販売者は川上サプライヤーの要求に応じて化学物質の用途,性質,使用量また販売量,安全使用等の情報を提供しなければなりません。

 沿革

Fig. 2 - 化評法 の沿革

 韓国環境部は2011 年からEU REACH と類似する「化学物質の登録及び評価等に関する法律:化評法」の制定作業を開始しました。多くの審議や検討を経て、化評法 の最終版は2013 年4 月30 日に韓国国会で可決、5月22日に告示され、2015 年1 月1 日から施行されます。

 2011 年3 月9 日に初めてWTO に申告して以来、韓国の製造・輸入される新規化学物質と既存化学物質の登録,評価,認可及び制限などに対する要求をめぐって、草案が何度も改正されました。具体的な経緯は下記のようになります:

 

  • 1.韓国環境部による化評法初稿(2011年2月25日) 
  • 2.韓国環境部が国会に提出した最終稿(2012年9月28日)
  • 3.韓国国会が提出したバージョン (2013年4月8日)
  • 4.環境労働委員会の審議で可決されたバージョン(2013年4月23日)
  • 5.韓国国会で可決された最終版 (2013年4月30日)

 

 

 化評法の主要内容

図4 - Ebook29: K-REACH、EU-REACH及び中国版REACHについての比較分析

 図3 - Ebook 23: K-REACH――化学物質登録及び評価等に関する法律

 化評法 は8 章・54 条及び附則・7条で構成されています:

  1. 総則(第1-7条)
  2. 化学物質の登録(第8-17条)
  3. 化学物質の有害性評価及び危害性評価(第18-24条)
  4. 許可物質などの指定及び変更(第25-28条)
  5. 化学物質の情報提供(第29-31条)
  6. 危害懸念製品などの管理(第32-37条)
  7. 補則(第38-48条)
  8. 罰則(第49-54条)
  9. 附則(第1-7条)

 化評法の中国語・英語バージョンはChemlinkedで入手可能です。こちらからご注文いただけます。Chemlinked(英語版ポータルサイト)のスタンダード・コーポレートメンバーは無料ダウンロードできます。また、当該訳本はあくまでも参考であることをご了承ください。

 

 K-REACH対応

 化評法: 年度報告

 韓国環境部が初めて化評法 草案を発表して以来、報告頻度は1 年1 回か、または2 年に1 回にすべきかについての議論は絶えず行なわれ続けてきました。化評法 最終版によりますと、化学物質の製造者,輸入者または販売者は毎年、新規化学物質または1 トン/ 年以上の既存化学物質に対して、前年度の取扱量及び用途などの情報を韓国環境部に提出する義務が課せられます。また、川下使用者は年度報告義務から免除されるため、ご注意ください。

 1 年1 回の報告頻度について、関連業者は大きな不満を抱えています。特にTCCA では1 回/4 年の報告制度が設けられているため、格差は非常に著しくあらわれています。サプライチェーン上の情報伝達不足や企業秘密による配慮が年度報告の実施にとって大きな障害になりますが、アジアにおいて初めてEU REACH と類似する規制を採用する国家として、化学物質に関する情報を全面的に収集することが基本的な考え方となっています。化評法 に基づく登録義務の対象は新規化学物質と登録対象既存化学物質に限られているため、年度報告制度は化学物質管理を全面的に展開させることに役立ちます。また、年度報告に向けた資料の要求について、未だに具体的な基準が定められていませんが、今後、化評法 の厳格度を評価するための重要な項目になると予測されます。

 年度報告の免除要件:

 下記項目のいずれかに該当する場合、年度報告義務から免除されることになります:

  • 機械に内蔵されて輸入される化学物質
  • 機械・設備の試運転のために機械・設備と共に輸入される化学物質
  • 特定の固体の形で一定の機能を発揮する製品に含有され、その使用過程で流出されない化学物質
  • 他の大統領令が定める調査研究を目的とする製造・輸入された化学物質
 

化評法: 登録

 化評法 によりますと、新規化学物質及び登録対象既存化学物質の製造者・輸入者は実際の製造または輸入前に、韓国環境部に登録を行うことが義務付けられます。既存化学物質登録の閾値は1トン/ 年に設定され、EU REACH や日本の「化審法」と一致しています。また、予備登録制度は化評法 最終版では抹消されました。

 化評法 対応が義務付けられる化学物質

  1. 新規化学物質:取扱量に問わずすべて必要
  2. 優先物質:製造量・輸入量が1トン/年以上の場合
  3. 人の健康や環境に深刻な被害を与える化学物質については、製造量・輸入量が1トン/年未満であっても登録が必要

 登録免除とされる化学物質:

  1. 機械に内蔵されて輸入される化学物質
  2. 機械・設備の試運転のために機械・設備と共に輸入される学物質
  3. 特定の固体の形で一定の機能を発揮する製品に含有され、その使用過程で流出されない化学物質
  4. 年間製造量また輸入量が10トン未満で、かつ輸出用のみの化学物質(「登録免除確認」が必要)
  5. 他の大統領令に定める登録免除とされる化学物質(「登録免除確認」が必要)

図5 - 化評法登録の日程

 既存化学物質登録

 化評法 では、既存化学物質について、韓国環境部が指定する登録対象既存化学物質に限り登録が義務付けられます。これはEU REACH の既存化学物質に関わる規定と異なる部分です。

表1.登録対象既存化学物質登録の詳細

優先順位(登録猶予)

登録対象既存化学物質選定基準

有害性

流通量(トン/年)

物質数

第1次(2017末)

CMRまたはPBT

HPV

20-20,000

≥20,000 

372

2第2次(2020末)

CMRまたはPBT

H410物質または有毒物

HPV

1-20 

10-20,000

1,000-20,000 年

791

第3次(2023末)

H410物質または有毒物

HPV

1-10

100-1,000

923

 (注:CMR:発ガン性,変異原性,生殖毒性物質

   PBT:残留性,生物濃縮性,毒性物質

   H410:水生環境有害性の慢性区分1)

 韓国環境部が2011 年6 月27 日に開催した公聴会での取材で、韓国環境部が既存化学物質の暴露量,有害性情報及び取扱量に基づき、登録対象既存化学物質として2,086 物質を指定したことが明らかになりました。スクリーニング評価の基準は上表をご参照ください。登録対象既存化学物質リストは最終的に約2,500 物質まで増加する予定です。登録対象既存化学物質はさらに第1次登録対象既存化学物質,第2次登録対象既存化学物質及び第3次登録対象既存化学物質に分類され、3 年ごとに発表されます。なお、発表の都度、3 年間の猶予期間が与えられます。2013 年12 月27 日に開催された化評法説明会によりますと、1 回目に指定される登録対象既存化学物質は約500物質で、2014 年10 月に公表される見通しだということです。

 製造量または輸入量が1 トン/ 年以上の登録対象既存化学物質は既存化学物質登録が必要となります。また、人の健康や環境に深刻な被害を与える化学物質については、年間製造量・輸入量が1トン未満であっても登録する必要があります。

 新規化学物質登録

  • 現状

​  韓国において、新規化学物質登録は環境部(MoE)の「有害化学物質管理法」(TCCA)及び韓国雇用労働部(MOEL)の「産業安全保健法」によって管理されています。現在、韓国の既存化学物質リスト(KECI)は約36,000物質を収載しており、1992年2月2日前韓国国内で流通していた化学物質及び1992年2月2日からTCCAに基づき有害性審査を通過した環境部長官が公表した化学物質が当該リストに収載されています。新規化学物質、すなわち既存化学物質を除くすべてのものは、化評法 に基づく新規化学物質登録を行う必要があります。

  新規化学物質の製造量・輸入量が0.1トン/年以上の場合、予め韓国国立研究院(NIER)に新規化学物質登録に関する資料を提出するか、または韓国化学物質管理協会に免除申請を行なわなければなりません。

  • 今後の計画

​  化評法 が施行される2015 年1月1日以降、新規化学物質に関する管理はTCCA から化評法 に移行します。科学研究用の化学物質は登録から免除されますが、他の用途で製造・輸入される新規化学物質については、年間製造量・輸入量が1 トン未満であっても、免除されません。ただし、登録手続きは簡単になり、必要資料も比較的簡素になります。

  • 変更登録または変更申告

  変更登録:数量年間製造量または輸入量が登録済の数量等級に定める閾値を超えた場合;または、用途、有害性情報またはリスク情報に変更がある場合

  変更申告:会社名、 所在地または代理者に変更がある場合

  変更登録及び変更申告による追加関連資料は環境部が定めることになります。

 

化評法: 資料の提出

 登録物質の取扱量によって、K-REACHは4つの等級に分けられます。登録物質の等級が高くなればなるほど、データに対する要求も厳しくなります。登録に向けて必要とされるデータ・資料は下記になります:

  1. 製造・輸入企業の会社名、所在地及び代表者
  2. 化学物質の基本情報、例え:物質名、分子式、構造式等
  3. 化学物質の使用情報
  4. 化学物質の分類及び表示
  5. 化学物質の物理化学的特性
  6. 化学物質の有害性情報
  7. 危害性情報は、ばく露シナオリで化学物質のライフサイクルでの取扱い、ばく露防止等の記述が必要(年間製造量・輸入量が10トン以上の化学物質のみ)
  8. 安全使用ガイドライン(防護具、爆発、火災、漏れが発生する際の応急措置等)
  9. その他、環境部令で定める資料

 表2  化評法に基づく等級別の必要試験項目

 

資料

トン数別試験資料要求項目(トン/年)

0.1-1*

1-10

10-100

100-1,000

≥1,000

物理化学的特性

5

8

11

13

13

人体有害性

2

4

10

11

15

環境有害性

2

3

5

13

19

合計

9

15

26

37

47

 (*2020年1月1日から適用)

(データソース: International Conference on Chemical Policy, ICCP, 2012, 韓国ソウル)

表3. 化評法 に基づく物理化学的特性の必要項目(施行規則案別表4)

物理化学的特性

試験項目

トン数別要求項目(トン/年)

0.1-1*

1-10

10-100

100-1,000

≥1,000

物質の状態

水溶解度

融点/氷点

沸点

蒸気圧

オクタノール/水分配係数

 

相対密度

 

粒度分布

 

引火性

 

 

爆発性

 

 

酸化性

 

 

粘度

 

 

 

解離定数

 

 

 

 (*2020年1月1日から適用) 

表4. 化評法 に基づく必要な毒性学試験項目(施行規則案別表4)

人体有害性

試験項目

トン数別要求項目(トン/年)

0.1-1*

1-10

10-100

100-1,000

≥1,000

急性経口毒性

急性経皮毒性(または急性吸入毒性)

 

 

○(√)

○(√)

○(√)

皮膚刺激性/腐食性

 

眼刺激性/腐食性

 

 

皮膚感作性

 

復帰突然変異

in vitro 染色体異常

 

 

in vitro 遺伝子変異/遺伝毒性(小核試験)

 

 

追加遺伝毒性(生殖細胞)

 

 

 

生殖・発生毒性スクリーニング

 

 

反復投与毒性(28日)

 

 

反復投与毒性(90日)

 

 

 

 

胎児発生毒性試験

 

 

 

 

2世代生殖毒性

 

 

 

 

発ガン性

 

 

 

 

(*2020年1月1日から適用)

表5.  化評法 に基づく必要な生態毒性試験項目(施行規則案別表4)

環境有害性

試験項目

トン数別要求項目(トン/年)

0.1-1*

1-10

10-100

100-1,000

≥1,000

魚類急性毒性

ミジンコ急性毒性

 

藻類成長阻害

 

 

魚類慢性毒性

 

 

 

ミジンコ慢性毒性

 

 

 

陸生植物急性毒性

 

 

 

陸生無脊椎動物(ミミズ)急性毒性

 

 

 

陸生植物慢性毒性

 

 

 

 

陸生無脊椎動物(ミミズ)慢性毒性

 

 

 

 

活性汚泥呼吸阻害

 

 

 

底生生物慢性毒性

 

 

 

 

生分解性(Ready)

生分解性(Inherent)

 

 

 

pHによる加水分解

 

 

分解産物の確認

 

 

 

環境挙動と動態に関する追加情報

 

 

 

 

生物濃縮性

 

 

 

 

吸着/脱着スクリーニング

 

 

 

吸着/脱着追加情報

 

 

 

 

(*2020年1月1日から適用)

 注記:「√」は、完全な試験の替り、先行に試験計画を提出することが可能な項目を意味します。

 脊椎動物実験

 化評法は脊椎動物試験の重複を回避することを意図しています。動物実験を最小限に抑えるために、脊椎動物試験に関する資料が得られる場合、潜在的な登録者は既存資料の所持者に資料提供を依頼しなければなりません。企業秘密等適切な理由で資料所持者の許可が得られない場合、環境部が確認した上で脊椎動物実験に関する資料の提出を免除することができます。適切な理由もなく資料使用同意を拒否した者は当該脊椎動物試験資料を登録申請目的に提出することはできません。また、登録されて15年が過ぎた登録申請資料の場合には所有者の使用同意を受けなくても活用することができます。

化評法: 有害性評価及び危害性評価

図6 - K-REACH に基づく有害性評価及びリスク評価

 環境部(国立環境科学院:NIER)は化学物質に対して有害性評価を行います。必要に応じ、環境部から有害性評価を行うための追加資料を要求する場合もあります。評価結果に基づき、有害性を有すると判断される化学物質は環境部長官が有毒物質に指定・告示します。指定基準は施行令別表3に示されており、TCCA と一致しています。危害性評価後、環境部は化学物質の名称,有害性等の情報を公表します。秘密保護対象となる物質については、保護期間内で通用名称のみを公表することができますが、有毒物質に指定された場合、資料保護は適用されず化学名称は公表されます。

 製造量・輸入量が10 トン/ 年以上の化学物質、また有害性評価で危害性評価を行う必要があると判断された場合、環境部(NIER)は危害性評価を実施します。危害性評価の結果によって、化学物質は許可物質,制限物質または禁止物質に分類されます。一般的に言えば、CMR 物質,PBT などの高懸念物質(SVHC)は許可物質として指定されることになり、ある程度の猶予期間が与えられます。許可物質リストに収載される物質は日没日(いわゆるthe sun set date)以降、事前許可が得られなければ取扱うことができなくなります。また、許可物質の代替物質または代替技術が開発された場合、許可物質としての指定が取消される可能性があります。

 化評法 草案では、危害性評価を行う必要があるものは100 トン/ 年以上の物質に限られていましたが、告示された化評法では、閾値がEU REACH と同様に数値の10 トン/ 年以上に改正されました。製造量・輸入量が100 トン/ 年以上の場合、2015 年1 月1 日、すなわち化評法 の正式施行日からリスク評価が必要とされるようになります。10-100 トン/ 年の物質については、2 年から5 年間の猶予期間が設けられます。

 具体的な実施日は下記のようになります:

  • 70-100トン/年:2017年1月1日
  • 50-70トン/年:2018年1月1日
  • 20-50トン/年:2019年1月1日
  • 10-20トン/年:2020年1月1日
 

化評法: 共同提出

 化評法 は同一化学物質について、登録資料は共同で提出されなければならないと定められていますが、特定の場合、環境部の許可を得て独自で資料を提出することが可能です。

 登録に関する情報の共有化を推進するため、韓国はEU REACH のSIEF(物質情報交換フォーラム)と類似するプラットフォームを開設すると共に、コンソーシアムに関する契約も設定する見込みです。EU REACH と同じく、他の登録者は先導登録者から資料を購入し、登録用資料を作成しなければなりません。

 次の各号のいずれかに該当する者は、環境部の許可を得た上で独自で資料を提出することができます(以下「独自提出確認」):

  1. 資料が企業秘密に関わり、公表によって巨大な損失をもたらすおそれがある場合
  2. 共同提出による費用が独自提出より多い場合
  3. 他の大統領令に定める事項に該当する場合

 資料共有の原則:

  1.  資料所持者の許可を得て初めて使用すること
  2. 資料保護期間(15 年間)が経過した場合、所持者の許可がなくても使用できます
  3. 登録申請者は、同一の化学物質が登録されているかどうかを環境部に問い合わせることができます
 

化評法: サプライチェーンにおける情報伝達

図7 - K-REACH における情報伝達

 サプライチェーンにおいて化学物質の情報を双方向に伝達することは強制要求されています。化学物質の製造者・輸入者は登録番号,化学物質名称,有害性及び危害性等の情報を川下使用者及び販売者に伝達する他、化学物質情報を物質安全保健資料(MSDS)に記載することも義務付けられます。川下使用者及び販売者は川上サプライヤーの要求に従い、用途,ばく露情報,使用・販売数量,安全使用情報などの化学物質情報を提供する義務が課せられます。情報に変更がある場合、変更事項を1ヶ月内に関係者に伝えなければなりません。

 

K-REACH: 製品管理

 化評法 で定義する「製品」とは「消費者が最終的に使用する物品等であって、消費者に化学物質の暴露を誘発する可能性がある“混合物や物品”をいいます。

 製品中における有害化学物質が1 トン/ 年以上の場合、有害化学物質含有製品を製造または輸入する前に、事前に環境部に製品に対して申告を行なわなければなりません。当初の改正案では0.1% (w/w)という閾値についての検討も行なわれましたが、最終版では削除されています。化学物質が使用過程で流出せず、特定の固体状態で一定の機能を発揮する製品に含有される有害化学物質は申告から免除できますが、多くの消費者製品に影響が及ぶと予測されます。

 有害化学物質は有毒物質,許可物質,制限物質または禁止物質等を含みます。有害化学物質の名称,含有量,有害性情報,用途等の情報はすべて環境部に提出しなければなりません。一方、すでに登録されている化学物質については、環境部の「申告免除確認」を通過した後は、製品を製造または輸入する際に申告する必要がありません。

 人の健康や自然環境に危害をもたらすおそれのある製品(危害懸念製品)については、危害性評価が必要です。危害懸念製品は、洗浄剤,芳香剤,接着剤,光沢剤,脱臭剤,合成洗剤,漂白剤および繊維柔軟剤等一般消費者たちが主に生活用に使用する製品と、防虫剤,消毒剤,防腐剤等のように人と動物を除くすべての有害な生物を殺すまたは生物の活動を妨害・阻害するために使用する製品中から環境部長官が指定・告示します。危害性評価は環境部が指定する専門機関が行なわなければなりません。現時点では、危害懸念製品の危害性がまだ発表されておらず、関連する表示の標準,製品中に含まれる有害化学物質の含有量,移動量または排出量も公表されていません。

 総括&コメント 

 韓国国内の製造者・輸入者及び国内の輸出入者は、製品が新規化学物質または登録対象既存化学物質を含有しているか否か、また登録対象既存化学物質は1トン/ 年以上であるか否かを確実に把握しなければなりません。国外の登録者は代理人を通じて登録および登録後の義務を実施する必要があります。化評法 に基づく義務は下表のようにまとめられます:

義務

製造者/ 輸入者/代理人

年度報告

新規化学物質または1 トン/ 年以上の既存化学物質に関する前年度の取扱量,用途などの情報を報告すること

登録

同一化学物質の資料は共同提出し、特殊な場合は独自提出可能;

登録免除が可能かどうかを事前に登録免除確認を行うこと;

取扱量が多いほど、資料に対する要求が厳しくなる

変更登録

年間製造量,輸入量,用途,有害性及びリスクに関する情報に変更がある場合、変更登録を行うこと;会社名,所在地,代表者に変更がある場合は変更申告を行うこと

サプライチェーンにおける情報伝達

化学物質の登録番号,化学名称,有害性,危害性,安全使用などの情報は川下使用者及び販売者に提供すること;

関連情報に変更がある場合、1ヶ月内に関係者に通知すること

製品管理

製品内の有害化学物質の物質名、含有量、有害性情報、用途などを環境部に申告すること。

危害懸念製品

安全及び表示標準に合わせること;製品中における有害化学物質の含有量、移動量及び排出量を注意すること

ニュースソース:

専門家記事&電子書籍

 

お問い合わせ?
何璐
法務研究員 | 中国新化学物質, 韓国化評法
中国杭州
Eメール: NadineChemLinked.com
業務範囲: 電話コンサルタント, メールコンサルタント, 市場報告, 個人向け訪問, カスタマープロジェクト
プロジェクトをスタットする
葉丹雯業務範囲
グローバル営業部部長
中国杭州 | 専門コンサルタント
業務範囲: 韓国化評法に関わる申告・免除申請、唯一の代理人、試験モニタリング