新化学物質環境管理検討会に関する重要情報-毒理部分

CRC-MEP

 中国化学会産学研合作と促進委員会主催の2013年新化学物質環境管理検討会では、この10年以来、中国における新物質を申請及び管理する際の難点についてより深い交流と検討を行い、申請者と登録センター(CRC)の担当者に多大な交流の場を提供しました。そのうち、検討会は開催する前から毒理関連問題及び意見を合計60件余り集めました。今回の検討会では、招かれた代表者は最近最も注目されているいくつかの毒理問題について各自の観点を発表しました。CRC担当者との検討もより深くなされました。

 1. 毒物動態学(toxicokinetics)試験

 試験に要する期間と試験コストを考慮した上で、企業代表者の大半は定性推論、または体外代替法か非試験法で毒物動態学の動物試験を代替する旨の意見を提出しました。企業は動物試験を行う必要がないと思われる理由は、その他の毒理データで全て受験物質に危険性がないと表明されれば、毒物動態学試験を行う必要はなく、また毒理学的角度から言えば、直接定性推論の説明をすれば細かい毒物動態学試験は行う必要がないと認識されるためです。なお、検討会に出席した代表の意見は欧州連合のREACH法規のように、情報の開示も念頭に入れられます。

 毒理専門家の意見

 定性推論を毒物動態学試験の代替とすることは可能ですか?

 毒理専門家達は異なる観点を持っており、その他の毒性エンドポイントからは毒物動態学的特性を判断してはならず、毒物動態学は基本的な吸収、分布、代謝、排出の特性と考えており、実際には他の毒性試験の現象を解釈するのに用いられます。そのため、定性的推論を直接的用いることで毒物動態試験を代替するには、根拠は十分ではありません。

 QSARを毒物動態学試験の代替とすることは可能ですか?

 既存QSARモデルの一部は吸収分布代謝排泄(ADME)の予測に使われ、大体薬物の研究開発に派生されていますが、予備審査ツールにしか使用することはできません。新化学物質毒物動態学試験はその他の毒物動態学試験に現れた現象をできるだけ解釈し、または高水準試験とリスク評価に多くの根拠を提供することを意図しています。よって、既存の関連QSARモデルは毒物動態学試験を全て代替することはできません。

 体外試験を毒物動態学試験の代わりにすることは可能ですか?

体外試験で毒物動態学試験を代替するには、現在ADMEの体外代替法が広まりつつあります。OECDでは皮膚の吸収に関する試験基準がありますが、その他の代替法にはさらなる検証が必要です。しかし、体外代替法は科学的には適用されることになり、今後完成された体外代替法があれば、動物試験の実施を中止することも可能です。ただ、現在の法規管理から、毒物動態学試験はその他の毒理データに対する判断、解釈及びリスク評価に関する応用に大きな役割を果たしているため、毒代動物試験の実施が必要とされています。

 我々の意見:

  • 毒物動態学は周期が長く、コストが高い特徴がありますが、(亜)慢性試験、発癌性試験のような動物試験に類似しています。ガイダンスでは暴露と用途情報を免除条件として考えることを薦められています。(用途の数は政府の管理コストの高騰に繋がるため、十種類以下の採択を薦めます)
  • 二級定例申請について、毒代の吸収データのみ提出される場合、体外替代法及び(または)28日間または90日間の試験データを採択することより、毒物動態学の吸収特性を推測することができます。

 2.突然変異誘発試験及び分類

 この部分については多くの問題があります。例えば、体内試験報告書があれば、なぜ体外試験の提出要求もありますか。毒理専門家達は突然変異誘発には遺伝子突然変異や、染色体突然変異もあると述べています。一つの試験では、受験物(the test substance)の突然変異誘発性を全面的に評価することは難しいです。よって、EPA、OECDまたはGHS分類におけるこの部分に関する要求は単一の試験だけでなく、実は「幾重に組み合わせ」の原則に基づくいくつかの試験の組み合わせです。

 そして、申請者がこの部分ではAmes testのように、体外試験の比重は体内試験より低いとは限らないということを正確に理解しなければなりません。通常、Ames試験の陽性は50%を超える比率で突然変異誘発の陽性をもたらします。Huntsmanの暨博士が遺伝学試験と生殖細胞突然変異誘発性分類に関する講演は出色の内容となりました。主に突然変異誘発の選別結果をどのように使って関連試験を実施する戦略、及び危害性の分類に関して説明しました。特に化学物質に生殖細胞突然変異誘発性を持つかどうかを評価する時に、漸進的な試験戦略を参考にして、最終的に化学物質に最適な危険性分類が獲得できることを強調しました。そのうち、Ames陽性の状況について、偽陽性の状況も存在しているため、様々な方法で試験を実施することを述べました。

 Ames試験の陽性結果は試験コスト及び突然変異誘発分類の重み関数を増加させるため、企業には認められない状況です。Ames試験に陽性の状況が発生すれば、引続き試験で検証する以外に、代謝活性システム(metabolic activation system)でのみ陽性が発生した場合、人体内と代謝システム上の細菌で差異を考慮する必要があり、

 また人体内にこの種の代謝経路がないことを証明できる場合は、当該陽性結果の重み関数は分類時に大きく下げることができます。

3.免除条件の細分化

 ガイダンスではには免除条件に対する定性解釈をなるべく具体的な判断標準に転換させることが多くの参加代表者の希望とされています。例えば、急性経皮毒性の免除条件の一つとして、「皮膚壁を透過しにくい」;また、急性吸入毒性の免除条件の一つとして、「物質の粒径分布に吸入可能な部分<1%」に書かれた「吸入可能な部分」に対する具体的な解釈;反復投与毒性試験(28日間)の免除条件の一つとして、「非常に低い(最大無毒性量)値」;慢性毒性の免除条件の一つとして、「非常に高い最大無毒性量値」等の表現があります。

 専門家達はこのような問題はすでに議論の最中ではあるものの、現在の知識レベルや経験の蓄積に基づき、当面は統一的な基準の提出はないと表明しています。

 既存の知識と積み重ねた経験により、私達はガイダンスで詳細を規定した参考値を基準の判断材料とできる可能性は高くないと考えています。申告者は各操作における自らの判断の根拠について、可能な限りの情報源、例えば他国の登記ガイダンスや科学研究文献中の関連参考内容などを提示することをお勧めいたします。

 今回の検討会では申請者によい交流のルートを提供し、会議では特に、活発な議論がなされた問題はすべて企業が申告の際に遭遇した問題点を反映しており、また他国の法規と比較することがより一層ガイダンスを優れたものにする重要な案となりうるという収穫がありました。

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